Ribbonの映画専門家レビュー一覧
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映画・音楽ジャーナリスト
宇野維正
主演、脚本、監督を一人でやるというのは、素人か映画に愛された者だけに許された手段だ。それなりに画だけは成り立っている時点で、のんは映画に愛されているのかもしれない。しかし、この極端に限定された登場人物とシチュエーションで、長回しやイメージ映像を多用しての115分はいかにも長い。「自身の感性への過信」というのが近年ののんの活動全般から受ける印象なのだが、彼女はそんな自分を客観的にちゃんと把握はしているのだな、というのが本作での発見。
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映画評論家
北川れい子
あ、のん、贔屓、ひいき! いやこの作品に関わっている岩井俊二や樋口真嗣などの人気監督が、まさか、のんの脚本、演出、演技にまで口出ししたとは思えないが、なにげに岩井作品を連想させるようなエピソードや、リボンの特撮がユ二ークなだけに、ついつい。聞けばのんはすでにYouTubeチャンネルのドラマで、脚本、監督、主演、撮影、編集まで手掛けているとか。ドラマは未見なので何とも言えないが、本作、スクリーン越しにのんとささやかな冒険をした気分になったりも。
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映画文筆系フリーライター
千浦僚
先日現役バリバリの監督さんとの雑談で、いま皆がマスクし距離とり消毒し自粛してるのになぜ映画登場人物はそれをしないか、これをがっつり描く映画が少ないか問題が話題に。いくつか理由が考えられた。顔を隠すことで映像や出演者の価値が下がるのでマスクしたくなくてその世界はコロナがないふりした。長く残る映画で、ある時期ある時代が刻印されるコロナ描写したくない。等。本作はそういう姑息さの真逆。『スラムダンク』山王戦のようにいまを生きる。真摯。誠実。普遍。
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