ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実の映画専門家レビュー一覧

ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実

ザ・ビートルズの元メンバー、ジョン・レノンの生い立ちや彼に影響を与えた出来事を、未公開の資料や関係者へのインタビューを交え深堀するドキュメンタリー。ジョンの故郷リヴァプールとその周辺で撮影、様々なエピソードを通してジョンの真の人物像に迫る。ジョンの幼馴染みやバンド仲間、美術学校の同級生たちが多数出演し、本当のジョン・レノンの姿を語る。語り手は、ザ・ビートルズの歴史研究家デイヴィッド・ ベッドフォードと、詩人であり作家でもあるポール・ファーリー。
  • 映画評論家

    上島春彦

    “彼”がどうやってジョン・レノンになったか、という記録映画で必見。出自の社会的な背景が深い。ただし行方をくらました父親とか、少年時代を一緒に過ごせなかった母親とか、伝記的には重要だが話題はそれだけのことになってしまう。音楽的には、プレスリーは当然としてハンク・ウィリアムズの影響が濃厚というのに納得する。ギターじゃなくバンジョーから入ったというのも面白い。そしてそこは母親経由だというのがなるほど、と。やっぱり音楽の件をもっと掘り下げたかったな。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    ジョンがビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタインに一張羅のスーツを着せられるまでの個人史を周辺人物へのインタビューや資料を通して描いたもの。そのなかでも特に彼の幼少期の人格形成に関わる事柄とポールとの出会いに焦点が当てられている。邦題には「真実」という言葉が使われているが、この映画は一般的に流布しているジョンの人物像を転覆するものではない。露悪的な暴露こそないとはいえ、悲劇的な出来事を彼の人格に結びつける物語にもそろそろ飽きてきた。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    ロンドン以外のイギリスの街について筆者はほとんど想像したことがなかった。リヴァプールといえばビートルズとアンフィールドの街だというくらいで、アイルランドやアメリカ、アフリカ、中国などのさまざまな文化が流入し、混淆する港町だということはつゆ知らなかった。ポールがビートルズのポップさを担っていたとするならば、ジョンが担っていたバンドの混淆性や外部への意志というのはこの街の歴史が育んだものなのかと思うとなんとも興味深く、近々訪れてみたくなった。

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