Zola ゾラの映画専門家レビュー一覧

Zola ゾラ

全米でバズった148のツイートから生まれた物語を気鋭のスタジオ、A24が映画化したリアル”SNS”ストーリー。ウェイトレス兼ストリッパーのゾラは、客として出会ったステファニと意気投合。彼女から旅に誘われるが、それは悪夢の始まりだった。出演は「マ・レイニーのブラックボトム」のテイラー・ペイジ、「アンダー・ザ・シルバーレイク」のライリー・キーオ。監督は、長編デビュー作「Lemon(原題)」がサンダンス映画祭で絶賛されたジャニクサ・ブラヴォー。
  • 映画評論家

    上島春彦

    原作は投稿ツイートでそのリアルタイム感覚がポイント。全世界で評判を取ったとか。そこは私じゃ了解不能だが。ポールダンスのエキスパート女性が知り合ったばかりの同業者に誘われ、仕事の旅に出る。私は下品なのは超得意だが、下品プラスアルファが欲しい。日本語字幕でも閉口するお下劣度だから英語が分かればもっと閉口するのだろう。分からなくて良かった。文字メディアを映像化するのは理に適った行為なので文句はないが、ツイートの応酬合戦の皮肉さは出ていない感じだな。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    16㎜フィルムで撮影された画のざらつきが、ソーシャルメディアの投稿を基にした映画の現代性とミスマッチを起こして味わい深さを演出する。黒人女性のゾラの怪訝な睥睨を映すショット(とヴォイス・オーバー)が映画を終始貫き、彼女が白人女性/社会への批評性を担う。そうでなければこの作品自体が成り立たないといってもよい。だからこそ白人女性であるステファニがこの物語を語り出そうとしたとき、それはまったくのデタラメで彼女が語り部にはなり得ないことを強調している。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    特定の規則に基づくわけでなくたえまなく切り替わる視点や一貫性を欠くカッティング、そして世界のあちこちからあふれ出る音が「いま」のわたしたちが世界を認知している距離と限りなく近いように思われ、その再現性に感激していた。「2022年に生きる人類」の究極の主観映画というか。そんな中、車内でヒロインたちがミーゴスの〈ハンナ・モンタナ〉を歌い踊るシーンはなぜだか「悪魔のいけにえ」を想起させ、それでも追いすがってくる歴史も乗せて我らの未来への旅はつづく。

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