ピーターラビット2 バーナバスの誘惑の映画専門家レビュー一覧

ピーターラビット2 バーナバスの誘惑

英国湖水地方を舞台にしたウサギが主人公の絵本の実写化第2弾。ビアと結婚したマクレガーの父親面に嫌気がさしたピーターは、生まれ育った田舎を飛び出す。都会にやって来ると、亡き父の親友を名乗るバーナバスと出会い、生きるための盗みのスキルを教わる。出演は、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」のドーナル・グリーソン、「X-MEN:アポカリプス」のローズ・バーン。声の出演は、「スモールフット」のジェームズ・コーデン、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーゴット・ロビー、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のエリザベス・デビッキ、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のデイジー・リドリー。監督は前作に引き続き、「ANNIE アニー」のウィル・グラック。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    ピーターラビットの声を演じているのがジェームズ・コーデンということからも察しがつく通り、子供をメインターゲットとしながらも、ヌルくならないギリギリのところで大人もちゃんと楽しめる作品のレイヤー構造に感心。砂糖をエクスタシーのメタファーとして散々コスるあたり、いかにも英国生まれのコンテンツ(本作自体はアメリカ映画だけど)で微笑ましい。第1作を未見でもまったく置いてきぼりにされないのは、自分もそうだったので保証します。

  • ライター

    石村加奈

    生きる上で、自分が大切にしていることと、他者から求められることとのギャップに悩む、ピーターたち。アイデンティティにまつわるシリアスな問題を、ピーターらしく、柔軟に解決していく。軽やかだが、宿敵マグレガーとの関係性の変化は、昨日の敵は今日の友よろしく、大人の目にもリアルだ。グリーン・デイの〈Boulevard of Broken Dreams〉など、洗練された演出も印象的。ピーター&仲間たちとのドタバタ劇は、吹替版の方が愉快。前作に続き、ピーター役・千葉雄大の巧さに唸る。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    前作は未見だが、擬人化された動物と人間が共存する原作の世界観をちゃんと現代の寓話として昇華していることに感動。アニマルロジック社のVFXは、セット、美術、人間を演じるドーナル・グリーソン、ローズ・バーンらと絶妙なバランスで馴染み、その超現実世界に没入できる。ピーターが体験するビターな大人の洗礼、そして原作者ポターが目の当たりにした“悪意なき他者”による作品の改変問題もメタ構造として描き、ただの古典名作の映像化で終わらないところも好感が持てる。

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