きみは愛せの映画専門家レビュー一覧
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脚本家、映画監督
井上淳一
この街を出よう的な話が昔から分からない。大体どういう街か分からないし。街にそんな呪縛性があるのか。自分の住んでる所をこの街と呼ぶ人も愛愛愛とすぐ口にする人も見たことない。そんなの古いと思ってたけど、一周回ってまたそうなってしまったのか。嫌だ嫌だ。街や愛の呪縛をやるなら、育ち方や親やなぜ惚れたかを描かないと。語り過ぎないことと描けていないことは違う。愛の本質を問うてるようで、人間の本質に迫れてないのではどうしようもない。ピンクなら60分でできる話。
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日本経済新聞編集委員
古賀重樹
女と寝ながらも昔の恋人を忘れられない朋希、妻のいる男とずるずるとつきあっている凛、そんな凛を支えながら抱くことはできない慎一。地方都市に住む3人の男女のありきたりの恋愛模様に、どうしてこんなに引きつけられるのだろう。抑えきれない思いと醒めていく思い。葉名恒星監督はひたすら恋愛という理不尽な感情を見つめる。行きつくのは、恋愛とはどこか狂ってないとできない、という真実。それらしい恋愛映画が流行っているが、こんなにピュアな恋愛映画は久しぶりに見た。
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映画評論家
服部香穂里
現実的には、誰かを好きでいることに理由は必要ないかもしれない。ただし映画である以上、あんなクズ男になぜ執着し、そんな彼と離れられない彼女になぜ好意を寄せ続けられるのか、そのモチベーションの片鱗くらいは示さなければ、連呼される「愛だな、愛」なる決め台詞も虚しく響く。愛することには一本気なくせに、愛されることには無頓着な男女の不毛な?末を延々と見せられても、心に決めた相手は断じて揺るがぬ頑固者同士が、同じところをグルグル回っているだけに見える。
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