華のスミカ

はなのすみか LEFT -Where I am-
上映日
2021年8月28日

製作国
日本

制作年
2020
上映時間
98分

check解説

華僑四世の林隆太監督が、横浜中華街にある日本で最大規模の中国人コミュニティーの歴史を辿るドキュメンタリー。家族の過去に触れ横浜中華街と向き合う決心をした監督が、日中台の政治に翻弄された華僑の歴史を追い、横浜中華街の観光地ではない一面を映す。第12回DMZ国際ドキュメンタリー映画祭グローバルビジョン招待作品。2021年8月21日より横浜シネマリンを皮切りに各地で上映。
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この作品のレビュー

映画専門家レビュー

  • 脚本家、映画監督
    井上淳一
    横浜中華街にも大陸派と台湾派がいて対立していたなんて、ちょっと考えれば分かることなのに本作を観るまで思い至らなかった。恥ずかしい。その証言集としてだけで価値があ... もっと見る
  • 日本経済新聞編集委員
    古賀重樹
    横浜中華街の華僑社会における大陸派と台湾派の対立と和解の歴史を、華僑4世の監督が追ったドキュメンタリー。中華学校での教育方針を巡り両派が衝突した1952年の「学... もっと見る

「華のスミカ」のストーリー

37歳の林隆太は、15歳の時に父・学文が中国人だと初めて知った。しかし中国嫌いだった隆太は、家族の中にある”中国”を避けるように生きてきた。それから10年以上経ったある日、”台湾解放”というスローガンを掲げ横浜中華街を練り歩く紅衛兵の写真の中に、若かりし日の学文の姿を見つける。日本人として育った隆太は、なぜ同じ日本で暮らす中国人同士が対立するのか理解できなかった。学文は「台湾は中国の一部。毛沢東は親父のようなもん」と言い、祖母・愛子は中国籍のまま晩年を迎え認知症になった。ずっと避けてきた家族の過去に触れたことをきっかけに、隆太は家族が過ごした横浜中華街と向き合う決心をする。横浜中華街には日本で最大規模の中国人コミュニティーがある。その歴史は約160 年前にまで遡り、彼らは団結することで中華街を発展させ、日本社会で独自の地位を築いた。しかし東西冷戦期、街は二つの中国で揺れた。1952年、横浜中華学校で赤化教育が行われているとして、中華人民共和国を支持する教師が学校から追放される“学校事件”が起こる。その結果、横浜中華街の学校と華僑総会は中華人民共和国(大陸)派と中華民国(台湾)派に分裂。長きにわたり対立してきたが、現在では共生の時代を歩んでいる。日中台の政治に翻弄され苦難と葛藤を重ねてきた華僑。中国・華僑のことを何も知らない華僑四世の監督は、家族や父の友人・知人に出会いながら、時代に翻弄された華僑の人生と複雑な思いに気づいていく。

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「華のスミカ」の写真

「華のスミカ」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「華のスミカ」のスペック

基本情報
製作国 日本
製作年 2020
公開年月日 2021年8月28日
上映時間 98分
製作会社 記録映画「華僑」製作委員会
配給 記録映画「華僑」製作委員会
アスペクト比 16:9
カラー/サイズ カラー
公式サイト https://www.hananosumika.com/
コピーライト (C)2020 記録映画「華僑」製作委員会

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