板谷由夏 イタヤユカ

  • 出身地:福岡県
  • 生年月日:1975/06/22

略歴 / Brief history

福岡県生まれ。福岡女学院大学短期大学部卒業。1994年より『PeeWee』誌の専属モデルとして活躍したほか、歌手としてシングルもリリース。96 年、NHK 教育『イタリア語会話』の生徒役でテレビに出演。99 年、大谷健太郎監督に抜擢された「avec mon mari」の麻生美都子役で映画主演デビューを果たし、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞に輝く。2001 年の高橋伴明監督「光の雨」などの出演を経て、02 年、CF ディレクターの石川寛が映画初監督をつとめた「tokyo.sora」では脚本のない即興的演出に応え、昼間は美容師見習い、夜はランジェリーパブで働く女性の底知れぬ孤独を哀感豊かに演じた。内田けんじ監督の長篇デビュー作でカンヌ国際映画祭などで高い評価を受けた「運命じゃない人」05 では、ごくごく平凡でお人好しの主人公を翻弄する奔放な悪女を茶目っ気たっぷりに演じ、毎日映画コンクール助演女優賞に輝く。篠原哲雄監督の官能的なラブロマンス「欲望」05 ではヌードも辞さぬ大胆な演技に挑んで女優として新たな一面を開花させ、タイプの異なる2作品で飛躍の年となった。07 年、青山真司監督「サッドヴァケイション」では、自分を捨てた母親に復讐を誓う主人公に安らぎを与える恋人役で豪華競演陣によるアンサンブルの一角を担い、高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞した。テレビドラマも、99 年のフジテレビ『パーフェクトラブ!』以降、コンスタントに出演。近年は、派遣社員と張り合う正社員に扮した日本テレビ『ハケンの品格』06、恋にも仕事にも情熱的な先輩社員を好演した同局『ホタルノヒカリ』07、『同・2』10、大河ドラマ初出演となるNHK『篤姫』08 など、颯爽としたキャラクターが当たり役となるが、09 年の日本テレビ『アイシテル・海容』では、殺害された息子への罪悪感に苦悩しつつ加害者の母親の心も慮る主婦の複雑な心情を目細やかに演じ、演技力に磨きをかけた。近作にNHK『八日目の蝉』、フジテレビ『流れ星』10 など。07 年より日本テレビの報道番組『NEWS ZERO』にキャスターとして出演。結婚・出産を経験し、子育てをしながら働く主婦としての視線から、生活に根差した身近なテーマを自ら取材して好評を得ている。

板谷由夏の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 月(2023)

    制作年: 2023
    実際の障害者殺傷事件を題材にした辺見庸による同名小説を原作に「茜色に焼かれる」の石井裕也監督が映画化。重度障害者施設で働き始めた元・作家の堂島洋子。職員による入所者への心ない扱いや暴力を目にする洋子だったが、それを訴えても聞き入れてもらえず……。出演は「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえ、「PLAN75」の磯村勇斗、「翔んで埼玉」の二階堂ふみ、「658km、陽子の旅」のオダギリジョー。
  • アナログ

    制作年: 2023
    ビートたけしの小説を二宮和也主演で映画化したラブストーリー。手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの水島悟と携帯を持たない謎めいた女性、美春みゆき。喫茶店“ピアノ”で偶然出会った2人は毎週木曜日、同じ場所で会う約束をするが……。共演は「ホテルローヤル」の波瑠。監督は「鳩の撃退法」のタカハタ秀太。
  • 夜明けまでバス停で

    制作年: 2022
    「痛くない死に方」の高橋伴明監督が板谷由夏を主演に迎え、コロナ禍が招いた貧困・社会的孤立を描いた社会派ドラマ。昼は自作のアクセサリーを売り、夜は焼き鳥店で住み込みのパートをする三知子は、コロナ禍の影響で仕事と住処を失い、ホームレスになる。2020年11月に渋谷区幡ヶ谷のバス停で寝泊まりしていたホームレスの女性が突然襲われ死亡した事件をモチーフにしている。主人公の三知子を「欲望」(2005)以来の映画主演となる板谷由夏が演じる他、「花と雨」の大西礼芳、「大綱引の恋」の三浦貴大らが出演。2022年第96回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞、脚本賞受賞。
  • 百花

    制作年: 2022
    プロデューサー、脚本家、小説家として活躍する川村元気が自身の小説を自ら映画化した長編監督デビュー作。レコード会社勤務の葛西泉と、母・百合子は過去のある事件をきっかけに、わだかまりを感じながら過ごしていた。そんなある日、百合子が認知症と診断され……。出演は「花束みたいな恋をした」の菅田将暉、「蜩の記」の原田美枝子、「MOTHER マザー」の長澤まさみ、「パターソン」の永瀬正敏。
  • 人生ドライブ

      制作年: 2022
      熊本県宇土市に暮らす岸さん夫婦と10人の子どもたちを21年にわたり記録したドキュメンタリー。自宅の全焼や2016年の熊本地震、家族の入院など、様々な困難に見舞われながらも、時には夫婦ふたりで、また時には家族全員で乗り越えてゆく一家の暮らしを見つめる。ナレーションを「サッド ヴァケイション」「37セカンズ」の板谷由夏が担当。監督は熊本県民テレビの城戸涼子。2022年4月29日より熊本・Denkikanにて先行上映。
    • MIRRORLIAR FILMS Season2

      制作年: 2021
      映画プロデューサーの伊藤主税、俳優の阿部進之介、山田孝之らがメジャーとインディーズの垣根を越え映画を作る短編映画制作プロジェクトによるオムニバス第2弾。映画監督や俳優、一般公募からの選定クリエイターらによる、“変化”をテーマにした9作品を収録。収録作品は、年齢や国籍を越えた交流を描いた阿部進之介監督によるロードムービー「point」、愛する者を失った男を映し出す紀里谷和明監督による「The Little Star」、無縁社会のもたらす孤独に向き合った志尊淳監督作品「愛を、撒き散らせ」、貧困や孤立など現代社会に潜む闇を浮き彫りにする柴咲コウ監督作品「巫.KANNAGI」、ヨーロッパ企画の永野宗典と藤谷理子を主演に迎えた柴田有麿監督によるコメディ「適度なふたり」、閉店した思い出の店を舞台にした三島有紀子監督の私小説的な「インペリアル大阪堂島出入橋」、選定クリエイター枠として、ニューヨーク在住のAzumi Hasegawa監督によるファンタジー「Denture Adventure」、家族総動員で撮った駒谷揚監督によるゾンビエンターテインメント「King & Queen」、ひとり息子と母親との絆を描いた山田佳奈監督によるロードムービー「煌々 go on a picnic」。