和田誠 ワダマコト

  • 出身地:大阪府大阪市東住吉区
  • 生年月日:1936/04/10
  • 没年月日:2019/10/07

略歴 / Brief history

父は築地小劇場の舞台効果係を経て、ラジオドラマの演出をしていた。多摩美術大学在学中の57年、「夜のマルグリッド」の映画ポスター(稲垣行一郎と共作)が第7回日本宣伝美術会賞を受賞、日活名画座のポスターを描くなど、イラストレイターとしての活動を開始した。59年卒業と同時に広告会社ライトパブリシティに入社、アニメーションでCFやテレビの番組タイトルなどを手がけた。64年、16ミリでアニメーション映画「殺人(マーダー)」を演出、これで第19回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。68年からはフリーとなり、イラスト、装丁のほか、作曲まで手がけ、多才ぶりを示す。84年10月公開の「麻雀放浪記」で劇映画の監督にも進出した。この作品は、角川春樹プロデューサーから「シナリオを書いてみないか」と誘われたのがきっかけで、できた脚本が余りにも事細かに書き込まれたもので、「どうせなら監督もした方がいい」ということになり、実現した。この辺りの事情は、和田の著書『新人監督日記』に詳しい。作品は好評で、山路ふみ子映画賞特別賞、ヨコハマ映画祭作品賞、報知映画賞新人賞を受賞。88年には自ら脚本を書いた劇映画第二作「快盗ルビイ」と、23年ぶりに製作し、前年の国際アニメーションフェスティバル広島大会の招待作品となった短編アニメ「怪盗ジゴマ・音楽篇」が二本立てで公開された。テレビの演出作品に、NHKの短編アニメ『オッペルと象』『舌切雀』(以上60)、東京12chの『デューク・エイセク/くるみ割り人形組曲』がある。著書には、ほかに『お楽しみはこれからだ』(1~4)、『映画に乾杯』(1、2)、『シネマッド・ティー・パーティ』『たかが映画じゃないか』(山田宏一と共著)などの映画に関する本のほか、『ビギン・ザ・ビギン』など多数。72年12月に結婚。二男あり。2019年10月7日、東京都内の病院にて肺炎のため逝去。享年83歳。

和田誠の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • ふしぎな岬の物語

    「北のカナリアたち」の吉永小百合が「八日目の蝉」の成島出監督と共に企画に名を連ね、主演するヒューマンドラマ。森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を原作に、岬の突端にある小さなカフェに集まる人々と女店主との心温まる交流を描く。共演は「テルマエ・ロマエ」の阿部寛、「サイドカーに犬」の竹内結子、「ディア・ドクター」の笑福亭鶴瓶。撮影は「武士の一分」の長沼六男。
  • 照明熊谷学校

    鈴木清順の「東京流れ者」、相米慎二の「セーラー服と機関銃」、和田誠の「快盗ルビイ」、カルト的人気を博す長谷川和彦の「太陽を盗んだ男」、露天風呂での濡れ場が語り草になった勝新太郎の「座頭市」…。照明技師・熊谷秀夫の手がけた照明は、そのまま日本映画史に残る優れた作品群ばかりである。大映京都から日活シスター・ピクチャー、ロマンポルノを経て、「透光の樹」まで、およそ50年あまりの時を、熊谷秀夫の言葉と彼の光で照らされた25本の映画たちとともに多くの証言を交えて綴るドキュメンタリー。
  • かあちゃん

    江戸時代の貧乏長屋を舞台に、人を信じ愛することを信条とするひとりの母親を巡る人情ドラマ。監督は「どら平太」の市川崑。山本周五郎の同名短篇を基に「つる―鶴―」の和田夏十が脚色した台本に、「ホタル」の竹山洋が加筆。撮影を「どら平太」の五十畑幸勇が担当している。主演は「彼女が結婚しない理由」の岸惠子。第25回モントリオール国際映画祭コンペティション部門出品、特別功労賞(市川崑)、第25回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(岸惠子)、第14回日刊スポーツ大賞主演女優賞(岸惠子)受賞作品。
  • 真夜中まで(1999)

    殺人事件の証拠を探し、夜の街を疾駆するジャズ・トランペッターと外国人女性の逃避行を、実際の時間進行とシンクロさせて描くコメディ。監督は「しずかなあやしい午後に/ガクの絵本」の和田誠。脚本は、「東京★ざんすっ/東日暮里5丁目」の長谷川隆と和田監督の共同。撮影を「源氏物語 あさきゆめみし Lived in a Dream」の篠田昇が担当している。主演は、「みんなのいえ」の真田広之と「異邦人たち」のミッシェル・リー。
  • みんなのいえ

    若い夫婦のマイホーム建築を巡って巻き起こる騒動を描いたコメディ。監督・脚本は「ラヂオの時間」の三谷幸喜。撮影監督に「ムルデカ MERDEKA 17805」の高間賢治があたっている。主演は、「岸和田少年愚連隊 野球団」の田中直樹、「THE DOG OF FRANDERS」の八木亜希子、「ラヂオの時間」の唐沢寿明、「川の流れのように」の田中邦衛。日本芸術文化振興会芸術団体等基盤整備事業作品。
  • しずかなあやしい午後に

    外国ではひとつのジャンルとして確立している短編映画を、その素地のない日本で製作しようという試みの下、作られた短編映画集。アニメーション、ファンタジー、ホラーのタイプの異なる3作品が収められ、これが監督デビューとなるグラフィックデザイナーの太田和彦、「怖がる人々」の和田誠、「白い馬」の椎名誠が、それぞれ監督にあたっている。スイカを買いに行った少年の1日をつづった“ワニメーション”の第1話「スイカを買った」(モノクロ・11分)は、台詞は一切なく、字幕と効果音だけで構成されたユニークなアニメーション。第2話「ガクの絵本」(カラー・29分)は、山間の川をカヌーで下るひとりの男と1匹の犬のある日の出来事を描いたファンタジー、第3話「遠灘鮫腹海岸(とおのなださめはらかいがん)」(カラー・29分)は、浜辺の砂に沈んでしまった男の不思議な体験を描くホラーで、それぞれ「ガクの冒険」の雑種犬・ガクとエッセイストの野田知佑、「ガクの冒険」の林政明が主演をつとめた。
  • 怖がる人々

    ″恐怖″をテーマに、奇妙でユーモラスな怖い世界を映画化した5話のオムニバス。「快盗ルビイ」以来6年ぶりの和田誠監督作品で、脚本も和田が担当。撮影は「大病人」の前田米造。1話ごとに原作もキャストも異なるが、主演陣の他にチョイ役で出演するゲストもそれぞれ豪華。
  • 快盗ルビイ

    おしゃれでチャーミングな快盗ルビイの犯罪と恋を描く。ヘンリー・スレッサーの「快盗ルビイ・マーチンスン」の映画化で、脚本・監督は「麻雀放浪記」の和田誠、撮影は「上海バンスキング(1988)」の丸池納がそれぞれ担当。主題歌は、小泉今日子(「快盗ルビイ」)。
  • 怪盗ジゴマ 音楽篇

    怪盗ジゴマが歌姫の心の歌を盗むという寺山修司の同名戯曲の映画化で、監督・絵・作曲は和田誠、撮影は「妖精フローレンス」の八巻磐がそれぞれ担当。
  • 麻雀放浪記

    敗戦直後の東京の片隅でひたすら麻雀を打ち続け、様様な勝負師との出会いでもう一つの人生を学んでいく若者を描く。阿佐田哲也の同名小説の映画化で、イラストレーターの和田誠が初の脚本を執筆、監督としてデビュー、「野菊の墓」の澤井信一郎が脚本を共同執筆している。撮影は「ダブルベッド」の安藤庄平。
  • 金田一耕助の冒険

    盗まれた石膏像の首をめぐって起こる連続殺人事件を解決する金田一耕助の活躍を描く。横溝正史の原作『瞳の中の女』の映画化で、脚本は「渚の白い家」の斎藤耕一と「修道女 濡れ縄ざんげ」の中野顕彰の共同執筆、監督は「ふりむけば愛」の大林宜彦、撮影は「ブルークリスマス」の木村大作がそれぞれ担当。
  • 赤頭巾ちゃん気をつけて

    高校生薫クンの一日を通して描いた揺れ動く青春。庄司薫の原作から、脚本は「二人の恋人」の井手俊郎と森谷司郎の共同執筆、監督は森谷司郎。撮影は「ブラボー!若大将」の中井朝一が担当。
  • 恋の大冒険

    日本映画には珍らしいスラップスティック・タッチのミュージカル・コメディ。羽仁進、山田宏一、渡辺武信が共同で、オリジナル・シナリオを書き、「初恋・地獄篇」「愛奴」の羽仁進が監督した。撮影は「ある兵士の賭け」の奥村祐治、音楽をいずみたくが担当している。別題「ピンキーとキラーズの恋の大冒険」。
  • 殺人 MURDER!

    草月会館ホールで行われたアニメーションフェスティバルで上映するため、主催のアニメーション3人の会(久里洋二、柳原良平、真鍋博)から依頼されて自主制作したアニメーション。様々なサスペンスからのパロディが盛り込まれている。