クロード・ミレール

  • 出身地:フランス、パリ
  • 生年月日:1942年4月20日

略歴 / Brief history

子供のころから映画狂だったミレールは、やがてIDHECに入学。さらにロベール・ブレッソン(66年の「バルタザールどこへ行く」)やジャン=リュック・ゴダール(66年の「彼女について私が知っている二、三の事柄」、67年の「ウィーク・エンド」)の助監督ないし製作管理を務め、トリュフォーのもとでは、「夜霧の恋人たち」(68)から「アデルの恋」(75)まで引き続き製作主任となる。67年以降、三本の短編映画を撮る一方、テレビのコマーシャル・フィルムをつくっていたが、76年に、四年前から準備していたシナリオをもとに長編“La Meilleure Fa#ccon de marcher”を撮り上げる。夏休みの林間学校を舞台に、女装姿を同僚に目撃されてしまったインストラクターを描くこの処女長編には、ミレール作品を特徴づける要素がすでに現れている。すなわち、幼年期と結びついたかたちでの性の問題やある特殊な状況下に置かれた人間がみせる内面といったものであり、しかもそれらは水のテーマ(ここではプール)と深く絡み合っている。二作目以降も、厳密なカット割りに立脚し、ブリュノ・ニュイッテンやピエール・ロムによる撮影に支えられ、ミレールは人物の相互関係から浮かび上がる情念を抑制のきいたスタイルでフィルムに刻みつづけるとともに、リノ・ヴァンチュラとミシェル・セロー(81年の“Garde #a_ vue”)、セローとイザベル・アジャーニ(83年の「死への逃避行」)といったスターの顔合わせを実現させたこともあって、興行的にも成功を収めた。「なまいきシャルロット」(85)に続いてシャルロット・ゲンスブールを起用した最新作“La Petite Voleuse”(88)は、トリュフォーがクロード・ド・ジブレーと共同で書いた脚本に基づいている。

クロード・ミレールの関連作品 / Related Work

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  • ある秘密

    『エル』読者大賞を受賞したフィリップ・グランベールの同名小説を映画化。第2次世界大戦下のフランスを舞台にあるユダヤ人一家に起きた悲劇を、幻想的に描く。監督は、「なまいきシャルロット」のクロード・ミレール。出演は、「ヒアアフター」のセシル・ド・フランス、「引き裂かれた女」のリュディヴィーヌ・サニエ。
  • アンダー・サスピション

    平和な町で起きた連続少女レイプ殺人事件の捜査の過程で明らかとなる町の名士の隠された秘密と、思わぬ事件の真相を描くサスペンス。監督は「ロスト・イン・スペース」のスティーヴン・ホプキンス。出演はジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、モニカ・ベルッチ。刑事と容疑者、追う者と追われる者に扮した名優2人が火花を散らす。
  • ニコラ

    父親への妄想をめぐらせる12歳の内向的な少年の姿を描いた心理ドラマ。監督は「オディールの夏」のクロード・ミレール。ベストセラーとなったエマニュエル・カレールの『冬の少年』の映画化で、脚本もカレール自身が担当。製作総指揮の監督夫人アニー・ミレール、撮影のギヨーム・シフマンは「オディールの夏」に続く参加。音楽はジャズ・ミュージシャンのアンリ・テクシエ。出演は本作が映画デビューとなるクレモン・ヴァン・デン・ベルグほか。
  • リュミエールの子供たち

    1895年の“映画誕生”(リュミエール兄弟のシネマトグラフの発表と公開上映)の100周年を祝い、過去一世紀に作られたフランス映画の代表作のべ307本から名場面を抜粋して作られたアンソロジー。監督は「めぐり逢う朝」のアラン・コルノー、「愛を弾く女」「夕なぎ」のクロード・ソーテ、「オディールの夏」「死への逃避行」のクロード・ミレールら現代フランス映画を代表する現役のベテラン監督3人に加え、テレビ・ジャーナリストのピエール・ビヤール、『ル・モンド』紙の映画担当オリヴィエ・バロ、テレビの映画番組のディレクター、ジャン・クロード・ロメール、そしてゴーモン・シネマテークのディレクターで無声映画復元の分野でフランスの第一人者としてマルセル・レルビエの「エル・ドラドオ」、ルイ・フイヤードの「ファントマ」「吸血ギャング団」「ジュデックス」などを復元したピエール・フィリップ、映画助監督のクリストフ・バラティエの合計9名。製作は「ロシュフォールの恋人たち」「ニュー・シネマ・パラダイス」の二枚目スターでコスタ・ガブラスの「Z」以来、プロデューサーとしても活躍が目ざましいジャック・ペラン。音楽は「シェルブールの雨傘」で知られる、「プレタポルテ」を手掛けたジャズと映画音楽の巨匠ミシェル・ルグラン。編集はイヴ・デシャン。音声はポール・ベルトー、編集イヴ・デシャンがそれぞれ担当。世界最初の映画スターと言われるパテ社のコメディのマックス・ランデールに始まり、アルレッティ、ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、イヴ・モンタンら日本のファンにも馴染み深い大物からイレーネ・ジャコブ、ヴァネッサ・パラディらまでの古今の大スターに、ミシェル・シモン、ジャン=ルイ・バロー、ピエール・ルノワール、フランソワーズ・ロゼー、マルセル・ダリオ、ルイ・ジューヴェなどの名優たち、それに劇映画監督を世界で最初に名乗ったアリス・ギー・ブラシェに20世紀フランス映画・演劇界最大の巨人サッシャ・ギトリー、ジャン・ルノワールやフランソワ・トリュフォーなどの偉大な映画作家たちが次々と登場する賑やかさはまさに、映画100周年のお祝いにふさわしい。100年の記念とはいうものの構成は年代順ではなく、エンタテインメント志向で「歌」「ギャグ」「キス」といったコーナーや「レ・ミゼラブル」の6度にわたる映画化をまとめて見せるなどなど、テーマに沿って時代を自在に横断する編集が行われている。また「天井桟敷の人々」などの名作のアウトテイクやメイキング映像を見てくれるのは貴重。
  • オディールの夏

    性への欲望を通して人間の生、死、老いの問題をシニカルに描くコメディ・ドラマ。監督は「伴奏者」のクロード・ミレールで、川端康成の「眠れる美女」に着想を得たという脚本は彼にとって初の単独オリジナル。製作は監督夫人のアニー・ミレールと「愛の報酬 シャベール大佐の帰還」のジャン・ルイ・リヴィ、エグゼクティヴ・プロデューサーはアニー・ミレールとジャン・ジョゼ・リシェール、撮影はギヨーム・シフマン、音楽はピエール・ボシュロン、アントワーヌ・ウーヴリエ、ヴァンサン・グレンほか、美術はトリュフォー映画の常連で知られたジャン・ピエール・コユ・スヴェルコ、編集はアンヌ・ラファルジュ、録音はポール・レネとジェラール・ランがそれぞれ担当。出演は「イヴォンヌの香り」のジャン・ピエール・マリエル、「赤い航路」のエマニュエル・セニエ、「パリの天使たち」のリシャール・ボーランジェ、「ゴダールの決別」のベルナール・ヴェルレーほか。
  • うたかたの日々

    小説家、戯曲家、翻訳家、詩人、画家、俳優など、様々な分野で活躍したクリエイター、ボリス・ヴィアン(20~59)の同名小説(邦訳・早川書房刊)の映画化作品。激しい恋に落ちた男女の出会いと別れを、SF的な小道具とシュールな描写を駆使して描く。原作は46年に発表され、当時は“世界一悲痛な恋愛小説”とレーモン・クノー(「地下鉄のザジ」の原作者)に評されたものの、同年ヴィアンが別名義で書いた『墓に唾をかけろ』が、その不道徳な内容からセンセーションを巻き起こしベストセラーとなったため、その陰に隠れてしまった。ヴィアンの死後の63年、ペーパーバックで再発売されるや若者の熱狂的な支持を受け、現在では“永遠の青春小説”としてフランスで400万部を越えるミリオン・セラーとなっている。シャルル・ベルモン監督による映画化である本作は68年公開されたが、学生運動のためパリの多くの映画館が閉鎖されていたこともあって、少数の映画館での短期間上映を余儀なくされる。94年、パリで26年ぶりにリバイバルされ話題を呼び、日本でも初公開された。製作総指揮は「アルファヴィル」(65)のアンドレ・ミシュラン、製作は「アデルの恋の物語」(75)のクロード・ミレール、音楽は「赤と青のブルース」(60)、「無伴奏『シャコンヌ』」(原作)のアンドレ・オディール。出演はジャック・ペラン、サミー・フレー、マリー・フランス・ピジェ、ベルナール・フレッソン、アレクサンドラ・スチュワルトら。絶世の美女クロエを演じたのは、これが唯一の出演作品となったアニー・ビュロン。
  • 伴奏者

    第二次大戦中のヨーロッパを背景に、オペラ歌手の伴奏者となった少女の成長を描く青春ドラマ。ニーナ・ベルベローワの原作(河出書房新社・刊)をもとに、「小さな泥棒」のクロード・ミレールが監督・脚色した作品で、彼の四年振りの作品となった。製作は「めぐり逢う朝」のジャン・ルイ・リヴィ。撮影は同作でセザール賞を受賞したイヴ・アンジェロ。音楽監督は「なまいきシャルロット」のアラン・ジョミイ。主演は「野性の夜に」のロマーヌ・ボーランジェ、「黒い瞳(1987)」のエレナ・ソフォーノワ(劇中の歌はローランス・モンティロールが吹き替え)、ロマーヌの父親で「コックと泥棒、その妻と愛人」のリシャール・ボーランジェ。
  • 小さな泥棒

    16歳の少女の青春の軌跡を描くドラマ。製作はジャン・ジョゼ・リシェール。フランソワ・トリュフォーとクロード・ド・ジヴレーのオリジナル脚本を基に、監督・脚色は「死への逃避行」のクロード・ミレール、共同脚色はアニー・ミレールとリュック・ベロー、撮影はドミニク・シャピュイ、音楽はアラン・ジョミイが担当。出演はシャルロット・ゲンズブール、シモン・ド・ラ・ブロスほか。
  • なまいきシャルロット

    夏のヴァカンスを背景に思春期を迎えた13歳の少女の揺れ動くきらめくような感性の世界を描く。製作はマリー・ロール・リール、監督・脚本は「死への逃避行」のクロード・ミレール、共同脚本はリュック・ベロー、ベルナール・ストラ、アニー・ミレール、撮影はドミニク・シャピュイが担当。出演は「シャルロット・フォー・エヴァー」のシャルロット・ゲンズブール、ベルナデット・ラフォン、ジャン・クロード・ブリアリほか。
    60
  • 死への逃避行

    殺人を繰り返してはヨーロッパ中を転々とするひとりの女と、彼女を執拗に尾行する探偵の逃避行を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはシャルル、ガッソ、製作はベルナルド・グレネとクリスチャン・ガンドン、監督はクロード・ミレールで、本作品が日本での一般公開第一作になる。マルク・ベームの原作を基に、脚本はミシェル・オーディアールとジャック・オーディアール、撮影はピエール・ロム、音楽はカーラ・ブレイが担当。出演は「トレンチコートの女」のミシェル・セロー、「カルテット」のイザベル・アジャーニほか。
  • テレーズの罪

    オドレイ・トトゥ主演の文藝ドラマ。監督は本作を製作して逝去した「なまいきシャルロット」などで知られるクロード・ミレール。日本劇場未公開。
  • リリィ

    チェーホフ原作「カモメ」を基に、幻想的な愛の世界を描く。ジュリアンが開いた、恋人・リリィを主人公にした映画の上映会で、リリィとジュリアンの母の恋人・ブリスは互いに惹かれ合う…。リュディヴィーヌ・サニエが衝撃のフルヌードを披露している。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:クロード・ミレール 脚本:ジュリアン・ボワヴァン 原作:アントン・チェーホフ 出演:リュディヴィーヌ・サニエ/ニコール・ガルシア/ベルナール・ジロドー/ジャン=ピエール・マリエール/ロバンソン・ステヴナン
  • 検察官 レイプ殺人事件

    『なまいきシャルロット』のC・ミレール監督が手掛ける傑作クライムサスペンス。2人の少女のレイプ事件で、調査に当たった弁護士と警察官は犯人を特定。しかし、証拠不十分で起訴できずに釈放される。だが調査が進むにつれ確信は高まっていくが…。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:クロード・ミレール 製作:ジョルジュ・ダンシゲール 脚本:ミシェル・オディアール 撮影:ブリュノ・ニュイッテン 音楽:ジョルジュ・ドゥルリュー 出演:リノ・ヴァンチュラ/ロミー・シュナイダー/ミシェル・セロー

映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 7/25

マット・ルブランク(1967)

チャーリーズ・エンジェル フルスロットル

諜報スペシャリストの美女トリオが活躍するアクション。1970年代の人気TVシリーズを映画化した第2弾。監督はシリーズ前作に続きマックジー。製作・主演も前作に続きドリュー・バリモア。脚本は「シックス・デイ」のマリアンヌ・ウィバーリー&コーマック・ウィバーリーほか。撮影のラッセル・カーペンター、美術のJ・マイケル・リーヴァ、武術指導のユエン・チョンヤンなど、主要スタッフは前作と同じ。共演は前作のキャメロン・ディアス、ルーシー・リュー、ルーク・ウィルソン、マット・ルブランらに加え、「薔薇の眠り」のデミ・ムーア、「オーシャンズ11」のバーニー・マックほか。

チャーリーズ・エンジェル(2000)

美人探偵三人組が大活躍するポップなアクション。1976年にスタートした大人気テレビドラマの映画化。監督はこれがデビューとなるマックジー。武術指導は「マトリックス」のユエン・ウーピン。製作・出演は「25年目のキス」のドリュー・バリモア。共演に「マルコヴィッチの穴」のキャメロン・ディアス、「シャンハイ・ヌーン」のルーシー・リュー、「クレイドル・ウィル・ロック」のビル・マーレーほか。
イリーナ・ダグラス(1965)

メガ・シャークVSグレート・タイタン

モンスターパニック映画シリーズ「メガ・シャーク」第4弾。メガ・シャークの卵から生まれた新メガ・シャークと巨人型兵器の戦いを描く。監督は、「アルマゲドン2014」のクリストファー・レイ。出演は、「ゴーストワールド」のイリアナ・ダグラス。カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015にて上映。

ファクトリー・ガール

1960年代のミューズとして生きたイーディ・セジウィックの生涯を描いた伝記ドラマ。「カサノヴァ」のシエナ・ミラーを主演に迎え、「メイヤー・オブ・サンセット・ストリップ」のジョージ・ヒッケンルーパーが監督した。そのほかの出演者は「メメント」のガイ・ピアース、「ジャンパー」のヘイデン・クリステンセンなど。

NEW今日命日の映画人 7/25

下條正巳(2004)

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇

渥美清の死去により終了した「男はつらいよ」シリーズ全48作の中から、シリーズの大半を演出した山田洋次が特に好きな一編という第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」を、コンピュータ・グラフィックの導入、ドルビー・ステレオ・システムで録音し直すなど、最新技術を駆使してリニューアルさせた特別篇。冒頭部分には、寅次郎の甥の満男にふんする吉岡秀隆の登場シーンを新たに追加して、満男が寅さんの想い出を回想するという形に仕上げている。

天才えりちゃん金魚を食べた

6歳の少年が第8回福島正実記念SF童話大賞を受賞して話題となった同名の絵本をもとにしたファンタジー・アニメーション。1984年6月に宮崎県都城市で生まれた作者の竹下龍之介少年は、幼稚園年長組の夏休みに書いた受賞作以降、『えりちゃんシリーズ』として全4作を書き上げている。映画は、受賞作と第2作『天才えりちゃん月へ行く』をあわせてアニメ化した。総監督は「ウルトラマンカンパニー」の日下部光雄。主人公の兄妹の両親の役で、「新居酒屋ゆうれい」の松坂慶子と「風のかたみ」の阿部寛が声優をつとめた。同時上映「ポコニャン!」
ジョン・シュレシンジャー(2003)

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17 ロイヤル・オペラ「ホフマン物語」

英国ロイヤル・オペラ・ハウスの上演作品を映画館で上映するシリーズの1本で、「真夜中のカーボーイ」監督のジョン・シュレシンジャーが演出したオペラ。詩人ホフマンは恋敵であるリンドルフにそそのかされ、過去に愛した3人の女たちとの思い出を語り出す。ドイツの小説家E.T.A.ホフマンの小説が基になり、戯曲を経てフランスの作曲家ジャック・オッフェンバックによりオペラ化。

2番目に幸せなこと

一夜の過ちで子供を得て“夫婦”になった自立した女性とゲイの男性のカップルをめぐるドラマ。監督は「スウィーニー・トッド」のジョン・シュレシンジャー。脚本はトーマス・ロペルスキー。撮影は「アウト・オブ・サイト」のエリオット・デイヴィス。音楽は「シティ・オブ・エンジェル」のガブリエル・ヤレド。出演は「エビータ」のマドンナ、「恋におちたシェイクスピア」のルパート・エヴェレットほか。