斉藤貴志 サイトウタカシ

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  • ブラジルから来たおじいちゃん

    サンパウロ在住の92歳のブラジル移民1世が、ブラジルから日本に出稼ぎに来ている若い世代を訪れる旅を描くドキュメンタリー。彼らの将来を案じ毎年日本を訪ねる紺野堅一さんを追いながら、在日ブラジル人たちを取り巻く現実を映し出し、自身の移民体験やアイデンティティーを振り返る。監督は「ルッキング・フォー・フミコ」の栗原奈名子。1912年(大正元年)生まれの紺野さんは、1931年(昭和6年)、不況まっただ中の日本から出稼ぎのつもりで単身ブラジルへ渡航。言葉もわからない土地で、パン屋職人、日本語教師など11の職業を経験し破産の憂き目にもあったが、諦めずに努力した甲斐あって今ではサンパウロで悠々自適の暮らしをしている。そんな紺野さんは、日本に出稼ぎに来ているブラジル人を訪ねるために、毎年日本にやってくる。日本在住のブラジル人の数は現在31万人を越え、増加と滞在長期化傾向にある。彼らの姿が、出稼ぎのはずがブラジルに定住するはめになった自身の体験と重なる。彼らの将来はいったいどうなるのか。子供たちの教育の現状はどうか。若い世代の仕事の苦労話に耳を傾け、子供たちに勉強の様子を尋ねる。教師と懇談するため、子供たちの学校へも出かけていく。「ブラジルに来ていちばんの収穫は、人生とは生き甲斐のある生活をすること、人間の幸福とは何事にも満足することだとわかったこと」と語る紺野さん。“大日本帝国臣民”として、それともブラジル人として人生を終わるのか。レイルパス片手に新幹線、ローカル線、バスと乗り継ぎ、自分の足で歩きながら考える紺野さんのこの旅は、彼自身の人生を振り返る旅でもあった……。

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