ARGYLLE アーガイルの映画専門家レビュー一覧

ARGYLLE アーガイル

「キングスマン」シリーズのマシュー・ヴォーンが贈るアクション。人気作家エリー・コンウェイは、執筆に悩むスパイ小説『アーガイル』が現実のスパイ組織の活動を言い当てたことで、日常が一変。猫アレルギーのスパイ、エイデンと世界を駆け巡ることに。出演は「ジャスティス・リーグ」のヘンリー・カヴィル、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のブライス・ダラス・ハワード、「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル。
  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    007やヒッチコックをちりばめつつ、大枠が「ザ・ロストシティ」そっくりだなあと楽しく観ていたら、中盤で凄いひねりが。そこまでが楽しすぎたせいで、騙された気分で脱落する人も出そうだけれど、これを許容できれば後半も楽しい。赤毛とブロンドの2部構成自体、もしかしたら「めまい」の引用なのかも。主演二人が完全に対等な男女を演じて魅力的。これまでのマシュー・ヴォーン作品同様、人を選びそうな悪乗り気味のアクションが愉快。フィギュアスケートファンとネコ好きは観ると吉。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    スパイ小説の人気女性作家が謎の組織に狙われるという設定で、彼女の小説世界と現実が交錯する。「キングスマン」でもスパイ映画をひねっていたマシュー・ヴォーンは、今回さらにひねったメタ・スパイ映画に仕上げている。主演もスパイ大作に絶対抜擢されそうにないサム・ロックウェルとブライス・ダラス・ハワードというひねりよう。「キングスマン」で披露したVFX遊戯はさらに過剰になり、だんだん真面目に見ていることが馬鹿馬鹿しくなる。これで製作費200億と聞くとやれやれとしか言えない。

  • 俳優、映画監督、プロデューサー

    杉野希妃

    謎が謎のままである前半は楽しめるものの、主人公の過去が明かされてからは、その設定が中途半端なのでヤキモキする。主演のブライスは前半の鈍臭さからの変貌ぶりが見ものだが、終盤に向かって加速するアクションに身体が追いついていない印象。突然スケートが始まったりと、奇を衒ったド派手なアクションシーンも随所に盛り込まれたギャグもあざとすぎて不発で終わっている。ギミックが無駄に多すぎるし、莫大な製作費の割に全体的にチープな作り。デュア・リパをもっと見たかった。

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