マッチングの映画専門家レビュー一覧

マッチング

恋人探し、婚活など、現代人に最も身近なツールとなったマッチングアプリ。そのアプリを通じて、他人と気軽に出会えるようになった現代だからこそ起こる<身近に潜む恐怖>を描いたサスペンス・スリラー。もしプロフィールがウソだったら? マッチングしたのが危険な人物だったら? 出会いの裏に、さまざまな罠が仕掛けられる。恋愛に奥手な主人公・輪花(りんか)を演じるのは土屋太鳳。金髪の狂気のストーカー、永山吐夢を演じるのは佐久間大介(Snow Man)。監督は「ミッドナイトスワン」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したな内田英治。
  • ライター、編集

    岡本敦史

    マッチングアプリ利用者を標的とした連続殺人事件をめぐるサスペンスミステリーというアイデアは秀逸。ブライダル業界で働きながら私生活では恋愛への興味が薄い主人公を、土屋太鳳が現代に即したリアリティをもって演じ、非常に好感が持てる。だが、物語が進むにつれて紋切り型でない場面を探すほうが難しくなり、しかも途中から別の因縁話がメインになって、マッチングアプリも関係なくなる。ちゃんとタイトル通りに主題と四つに組み合えば、企画も主演俳優も生きたのに。

  • 映画評論家

    北川れい子

    内田英治監督の、観客を驚かせ、引っ張り回そうとする魂胆がミエミエのホラー系ミステリーで、ここまでエグいと逆に笑いたくなる。俳優陣も乱暴な脚本と演出に闇雲に役を演じているかのよう。マッチングアプリでの出会いが転がって、親の因果が子に及び、という新派悲劇寄りの血腥い復讐劇。マッチングアプリはあくまでも復讐の火種なのが意外と言えば意外か。冒頭の「アプリ婚連続殺人事件」が恐怖の賑やかし的なのも、内田監督ならではの観客サービスってわけ。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    角川ホラーとしてはVHSや携帯に較べるとマッチングアプリでは普遍性に欠ける。運営会社が個人情報を覗き見しているなら意図的に結びつけたりしそうだが。アプリ婚連続猟奇殺人も見た目の派手さと裏腹に、それをどう仕立てたかは描かれず。この監督は前作「サイレントラブ」と同じく安易にフラッシュバックを多用しすぎで、そこで帳尻を合わせようとする。土屋太鳳は善戦。普通のドラマよりも異常な状況へ生真面目に立ち向かう演技の方が映える。佐久間は役の難易度が高すぎた。

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