KG200 ナチス爆撃航空団の映画専門家レビュー一覧

KG200 ナチス爆撃航空団

本物のヴィンテージ戦闘機が登場する戦争アクション。第二次世界大戦下、ナチス占領下のフランス上空。爆撃機の護衛任務中、ホールデン大尉は奇襲を受けて不時着。囚われた爆撃機クルーの救出に向かう途中、ロンドン壊滅を目論むナチスの極秘計画を知る。出演はアメリカで俳優・ミュージシャンとして活躍するジェームズ・マズロー、「ダーク・シークレット 完璧家族」のトレヴァー・ドノヴァン。
  • 映画評論家

    上島春彦

    戦争「航空機」映画は好きなのでワクワクしながら見た。機体のメタリック感覚はCGかと思うくらいピカピカで嬉しいが何と実物とか。こういうこだわりが映画をグレードアップさせる。スタントマンのワイアー&ファイアーワークも念入りだし、物語もルーティンぽいけど悪くない。だが今さらナチスをここまで無能な悪者連中に仕立てる意味が分からない。国策映画みたいで嫌な感じ。ヒーローも全能の度が過ぎる。それと不思議なことにドイツ人の英語の使い方の統一が取れていない。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    この映画の最も魅力的な見せ場になるはずの肝要な序盤と終盤の銃撃戦が冗長で迫力に欠けるのが惜しい。多用されるスローモーションなども演出のチープさに加担してしまっている。ステレオタイプ化された登場人物とほとんど予想通り進むストーリーが書かれた脚本も、よく見た戦争映画をなぞるばかりで、これで2時間超えの上映時間は厳しいのではないか。これでは「トップガン マーヴェリック」の高揚感をふたたび味わいたい映画ファンや戦闘機ファンを決して満足させられないだろう。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    前半の空中戦はなかなか良い出来である。実戦だと信じられるレベルのクオリティーは維持できているし、大きな機械が空を飛んでいるという事象に対するわれわれの原始的な興奮をかき立ててくれる。しかし戦いが地上に移ってからはどうにもB級感を隠せなくなってくる。サスペンスのためではなく経済上の理由からであろうタイトなショットの連続は作品のスケール感を大きく削いでいて、説教くさく説明的なドラマは何とも興醒めだ。そこは割り切って全篇空中戦でも良かったと思うのだが。

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