犯罪都市 THE ROUNDUPの映画専門家レビュー一覧

犯罪都市 THE ROUNDUP

「新感染 ファイナル・エクスプレス」のマ・ドンソクが主演・プロデュースを兼任したクライムアクション。逃亡した容疑者を引き取るためにベトナムへ赴いた刑事が、残忍な犯罪を繰り返す男を相手に壮絶なバトルを繰り広げる。2018年日本公開「犯罪都市」の続編。共演は「恋愛の抜けたロマンス」のソン・ソック、「犯罪都市」のチェ・グィファ、パク・ジファン。
  • 映画評論家

    上島春彦

    前作を見逃したが話は別々。だから単独鑑賞で無問題、もっともコンセプト自体は刑事たちのグループ捜査にある。この40年間、日本の連続TVドラマが得意としたパターン。石原プロ作品群とか、あるいは東宝系の『大追跡』とか。主演のマ・ドンソク刑事(副班長)と好対照のチェ・グィファ班長刑事キャラをはじめ喜劇風味の隠し味が効いている。大いに楽しめたが星が伸びないのは、悪役が「悪くて強いだけの人」だから。役者はカッコいいものの、誘拐殺人ビジネスの闇が深くないな。

  • 映画執筆家

    児玉美月

    真面目なクライムアクションでありながらもユーモアの雰囲気が絶妙に漂い、終始うっすら笑える(マ・ドンソクのせいかもしれない)。バスの車内で刃物を持つヴィランと素手のマ・ドンソクが対決するクライマックスのシーンのアクションはとにかく圧巻。残酷描写を直接見せない上品さにも好感を覚えるが、女性が絡む暴力がシリーズ一作目よりも減ったため、特定の観客にとってはより観やすいだろう。前作の期待を決して裏切らない完成度(マ・ドンソクのおかげかもしれない)。

  • 映画監督

    宮崎大祐

    ものすごく悪いやつをものすごく善いやつが捕まえようとする、前時代的といってもいい構図をサクサクブスブスズタズタ、おなじみコリアン・ヴァイオレンスの雨あられが満たしていく。小休止として差し込まれるコメディ・リリーフはなかなかウィッティーで、主演のマ・ドンソクのアクションにはその身体に基づいた圧倒的な説得力がある。一方、相手役を演ずるソン・ソックは顔も怖いし、相当がんばってはいるもののミスキャスト気味で、最後までゾッとさせられることはなかった。

1 - 3件表示/全3件

今日は映画何の日?

注目記事