ザ・ディープ・ハウスの映画専門家レビュー一覧

ザ・ディープ・ハウス

「屋敷女」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロが贈るホラー。世界各地の廃墟を撮影して回るYouTuberカップルのティナとベン。フランス郊外にある湖底に沈められた曰くつきの屋敷を訪れた2人は、想像を絶する恐怖に遭遇する。出演は「アウトポスト」のジェームズ・ジャガー、「スパルタン 皆殺しの戦場」のカミーユ・ロウ。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    閉所恐怖症の人は、絶対見ないほうがいい。息ができない場所でヤバいことが起こった時にどうすればいいか。そう考えるだけで何も起こってないのに怖い。次々に襲いかかってくるトラブルにいちいちビックリする。ずっと水の中っていうシチュエーションを考え出しただけで、もう企画の勝利だと思う。冒頭の廃墟のシーンもちゃんと前振りになっていて、やっぱり生きている人間が一番怖いって思う。ラストは愕然とした。もう少し希望があっても良かったのに。意地悪だなあ。

  • 文筆家/女優

    唾蓮みどり

    好奇心旺盛な若者が行ってはならない場所で悲惨な目にあう。パニックホラーの王道パターンにおいて、さらに水中ものというジャンルのなかで「水の中の屋敷」というネタっぽい設定に若干の不安を覚えつつも、屋敷のなかのディテールなどは興味深かった。主人公のカップルがyoutuberという設定なので、ふたりが所持しているカメラからの視点としても撮影される。粗い映像のシーンも多いが、パニック具合とうまくリンクする。選曲のセンスがよく、なんだか憎めない一作ではある。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    幽霊屋敷ものだが、湖底に沈んだ一軒家が舞台で、全篇が水中で展開する。水中であることの面白さもあるが(走れないかわりに上にも逃げられるとか、緩慢な動きに自然さをもたらすとか)、特殊効果やCGではなく、水深6メートルのプールにセットを組み立て、ダイバーをスタンドインにして撮影している点が素晴らしい。50年程前に水没しながら不思議といまだに原形が保たれているという、この廃墟。それはもちろん数々のB級ホラーの記憶を留める本作の姿への自己言及だろう。

1 - 3件表示/全3件

今日は映画何の日?

注目記事