ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インドの映画専門家レビュー一覧
ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド
インド滞在期のザ・ビートルズの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。1968年、23歳のポール・サルツマン監督はガンジス川のほとりにある僧院で、思いがけずビートルズの4人と出会う。サルツマンがカメラに収めた、奇跡の8日間が初めて明かされる。製作総指揮・出演は、「マルホランド・ドライブ」のデヴィッド・リンチ。ナレーションは、「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」のモーガン・フリーマン。
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米文学・文化研究
冨塚亮平
単純なビートルズ映画ではなく、自分探しでインドに行ったらたまたま彼らと会ったという爺さんの当時を振り返る語りが続く相当な珍品。半世紀前に交わした何気ない会話をこの正確さで覚えていられるものなのか、といった疑問も湧くが、少なくとも彼の記憶の再現からは、感じのいい兄ちゃんたちとしか言いようがない自然体のビートルズの姿が垣間見える。現存メンバーの証言はないものの、バンガロウ・ビルのモデルとなった人物の回想には笑った。マニアにとっては貴重な一本だろう。
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日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰
降矢聡
ビートルズの楽曲があまり流れないところからも察することができる、一風変わったビートルズのドキュメンタリーだ。しかもビートルズのインド訪問について、資料や証言をもとにその足跡を辿るのではなく、実際に同じ場所で同じ時を過ごした本作の監督であるポール・サルツマンの、言ってみれば思い出話であるところもとてもユニーク。ビートルズの音楽的な才能の豊かさも、当時の人気の熱狂も、音楽史に刻まれた影響もほとんど顧みない、奇妙な静けさが漂う不思議な作品。
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文筆業
八幡橙
題名のとおり、“インドへ瞑想の旅に出たビートルズとの(監督の)出会い”の映画。副題をつけるなら、“20代で自分探しにインドに行ったら、ビートルズがいて驚いた!”といったところか。いわゆる「ホワイト・アルバム」収録の名曲たちの誕生秘話が最大の目玉だが、ポールやリンゴの現在の肉声はもちろん、楽曲も基本流れないことから、分厚いガラス越しに眺める伝説のバンドの遠き白日、といった感が否めず。リンチの語る瞑想と創作についてのくだりは、非常に興味深かった。
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