GHOSTBOOK おばけずかんの映画専門家レビュー一覧

GHOSTBOOK おばけずかん

「ALWAYS 三丁目の夕日」「DESTINY 鎌倉ものがたり」の制作チームが贈る、どんな願い事も叶えてくれる一冊の本「おばけずかん」を手に入れた子供たちが数々の試練に立ち向かう異世界冒険ファンタジー。VFXを駆使した美しい映像をクリエイトしてきた山崎貴監督が2000年に発表したデビュー作「ジュブナイル」から20年を経て、「少年少女の成長物語」に原点回帰した。開いてはいけない本を開いてしまった子供たちを、城桧吏、柴崎楓雅、サニーマックレンドン、吉村文香、巻き込まれる瑤子先生を新垣結衣、謎の古本屋店主を神木隆之介が演じた。声の出演には、釘宮理恵、下野紘、杉田智和、大塚明夫たち豪華声優陣に加えて、田中泯が声で山崎監督作4度目の参加を果たした。思わず踊りたくなるような主題歌「異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)」を星野源が軽やかに歌っている。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    新垣結衣と神木隆之介のサポートで保険はかけているものの、メインキャスト全員がジャニーズでもないローティーン役者という「グーニーズ」&『ストレンジャー・シングス』ラインの企画が東宝の夏休み映画として実現したのは、山崎貴監督がそれだけ信頼されているからなのだろう。しかし、良くも悪くも原作由来の児童文学的なトーン&マナーからはみ出してなく、実写エンターテインメント映画としてのスケール感や物語の陰影に欠けていて、小手先のVFXも上滑りしている。

  • 映画評論家

    北川れい子

    VFXをふんだんに使った夏休み向けの冒険ファンタジーで、不思議な古書店、お化け図鑑といったお膳立てが面白い。いまふうなキャラの3少年が、自分たちの願いを叶えるため、図鑑を手にお化け相手に大活躍。少年たちの影の助っ人となる針ネズミ系キャラの3頭身、図鑑坊が怖可愛く、カラフルな忍者衣裳もキャラにぴったり。登場するお化けたちも、お馴染みの一反もめんから、山彦、懸垂棒、ジズリなど、新種のお化けも。少年たちの願いごとは深刻だが、友情を含め、後味はスッキリ。

  • 映画文筆系フリーライター。退役映写技師

    千浦僚

    ある意味ハリウッド映像技術に追いつけ並べの課題を製作上の主題としている監督、製作体制であるから、「ドクター・ストレンジ」みたいなことどこまでできるの、ここまでやれるの、と思い面白かったりするが、ドリフのコントや舞台のような日本間のズルズル移動のほうにグッときたりもする。難を言えば設定上女の子の能動性が低く(救う対象)、男の子メイン度が高すぎの昭和ぽさある。星野源による主題歌が星野源以外のなにものでもない曲だがプリンス風のファンクで楽しい。

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