海上48hours 悪夢のバカンスの映画専門家レビュー一覧

海上48hours 悪夢のバカンス

海底に閉じ込められる恐怖と危機的状況からの脱出を描いたパニックスリラー「海底47m」シリーズの製作陣が、舞台を海上に移して48時間の悪夢のごとき恐怖を描くサバイバルスリラー。メキシコのビーチで最高のバカンスを過ごすはずだった大学生の恋と友情の物語は、サメと裏切りに血塗られていく。監督は「ゲットバック 人質奪還」(16)のジェームズ・ナン。水深47メートルの海に沈んだ檻の中で人喰いザメと闘う姉妹を描いた「海底47m」(16)、古代マヤ文明の海底遺跡に閉じ込められた女子高生たちのサバイバル劇「海底47m 古代マヤの死の迷宮」(19)のセカンドユニットも務めている。果たして、絶体絶望の海上から、彼らはサバイブできるのか。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    次から次にピンチが訪れる。ハラハラドキドキと静かなシーンのバランスがいい。気になるのは、とんでもないシチュエーションの中に浮気のネタが入ってきて、喧嘩になるところ。リアルといえばそうなのだが、なんか変。自分の身を呈して海に飛び込んでいくとことか、急にいいシーンがきたり、なんか変。サメの怖いのと、こういうお芝居の変なところが混在している。うまくいきそうなところで必ずうまくいかないのは、分かっていてもジリジリする。サメは本当に怖いな。

  • 文筆家/女優

    唾蓮みどり

    暑くなるとサメ映画が見たくなる、気もする。登場人物がサメに襲われることは予めわかっているので、誰から殺されるのかという順番も物語としては重要だ。だからできるだけ嫌な人物が出てきてくれた方がありがたい。主人公の彼氏が女友達と浮気したことが序盤で発覚する。女友達は謝ってくる。もう開き直って欲しかった。この順番を意識してしまうこと自体が優劣をつけているようで罪悪感に駆られて苦手でもある。とにかくサメ映画は怖くて延々パニック状態だとありがたいです。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    以前もこの欄で書いたが、この種の映画は「殺される者」と「生き残る者」とを分割していくことで作劇を成り立たせている。だから、分割線がその都度「誰と誰の間に」「どのように」引かれるかのアイデアを競うジャンルなのだが、そのためには分割線が引かれるための状況が恣意的であってはならず、毎回やはり不可避的な状況を考えねばならない。本作の場合、最後の2人の間に分割線が引かれるくだりでアイデアを出すのをほとんど放棄している。発想の脱水症状とでもいうように。

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