バイオレンスアクションの映画専門家レビュー一覧

バイオレンスアクション

浅井蓮次と沢田新による同名人気コミックを、橋本環奈主演で実写化。日商簿記検定2級取得を目指し専門学校に通うピンクボブ女子・菊野ケイ。今日もバイト先へと向かうが、そこは指名制の殺し屋で、ケイはナンバーワン指名の実力を持つ超凄腕のヒットガールだった。共演は「東京リベンジャーズ」の杉野遥亮、「蜜蜂と遠雷」の鈴鹿央士。監督は「劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD」の瑠東東一郎。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    日本芸能界は「行政」によってこれまで多くのスターを捏造してきたわけだが、現在のティーン層における橋本環奈人気は本物。そのことからわかるのは、人気と出演作の品質はまったく何の関係もないということだ。しかし、そうしたビギナーズ世代に向けた映画作品で、不遜にもジャンル映画の呼称を作品のタイトルに冠してこのレベルのやっつけ仕事をするのは、「観客を育てる」という観点からすると犯罪的。審美眼の欠片もない音楽全般が、作り手の文化的背景の空虚さを象徴している。

  • 映画評論家

    北川れい子

    橋本環奈のアクロバット的な殺し屋アクションが売りの娯楽作だと割り切って観ればそれなりに。ただ動くフィギュアのような殺し屋娘の歩調に合わせたせいか、どの人物もどのキャラクターもプラスチック板のように薄っぺらなのにはマイッタ。どんなに荒唐無稽でふざけたアクション映画でも、観ているこちらが一緒に走れる何かがあればいいのに、殺しをめぐるエピソードがあるだけ。あらためて昨年作「ベイビーわるきゅーれ」の“ゆるくてマジ怖”ギャルの殺し屋コンビを思いだしたり。

  • 映画文筆系フリーライター。退役映写技師

    千浦僚

    橋本環奈さんのスタイルのよさ、運動神経を疑いはしないがちょっと加工が過ぎてガールアクションとして乗れない。個人的にはほとんどフェティッシュに女性アクション映画を観ているが十代の頃シリアスにスポーツをしていたので男女のフィジカル差に対するリアリズムもあり、その種の映画とヒロインにはそこを越えてくる表現を求める。「キル・ビル」のユマ・サーマン、韓国映画「悪女」などはいまいち。ミシェル・ヨーや、「ベイビーわるきゅーれ」はバッチグー。本作は前者。

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