デューン 砂の惑星PART2の映画専門家レビュー一覧

デューン 砂の惑星PART2

フランク・ハーバートのSF小説を「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が実写化したSFアクションシリーズ第2弾。砂の惑星デューンをめぐり宇宙戦争が勃発。ハルコンネン家に一族を皆殺しされたアトレイデス家の後継者・ポールの復讐が始まる。主人公ポール・アトレイデス役のティモシー・シャラメ、ポールと心を通わせる砂漠の民チャニ役のゼンデイヤらが前作から引き続き出演、皇帝の娘イルーランを「ミッドサマー」のフローレンス・ピューが、宿敵ハルコンネン男爵の甥フェイド=ラウサを「エルヴィス」のオースティン・バトラーが演じるなど、オールスターキャストで全宇宙の命運を賭けた最終決戦を描く。
  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    第1部は作品世界の説明だけで終わった感があるが、話もスペクタクルもほんとうに面白くなるのはここから。巨大砂虫と対決する重要シーンに興奮。熱愛する「ボーダーライン」のときは気づかなかったけれど、その後持ち上がった「もしやヴィルヌーヴはアクションが撮れないのでは」という不安が、今回少しだけ払拭されたかも。もちろんプロダクションデザインは今回も必見。「予言」に翻弄され、苦悩する主人公をティモシー・シャラメが熱演するほか、これでもかという豪華キャストにもびっくり。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による同名SF小説映画化の続篇。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールが砂漠の民と共に反撃する。今回は少年ポールの成長譚という側面が強く、繊細華奢なシャラメとシリアスなヴィルヌーヴの化学反応が、壮大なSF大作に精緻な美学とシェイクスピア演劇のような格調高きドラマ性を導入することに成功した。至高の映画館体験をアップデートする、21世紀の超大作映画のベンチマークになる記念碑的傑作。

  • 俳優、映画監督、プロデューサー

    杉野希妃

    この手の叙事詩はどれも似たようなものだろうと高を括っていたが、緻密なアートディレクション、ハイレベルなVFX、類をみない世界観に終始目を奪われた。人物の心の機微も丁寧に掬いとっており、主人公ポールが心に従うか運命に従うかで葛藤し、カリスマ指導者へと変貌していく過程は見応えがあった。演じるシャラメはますます覚醒。モノクロの使い方も良い。宗教、権力闘争、資源枯渇など普遍的な問題がちりばめられた重層的なストーリーなので、パート1を見てからの鑑賞がおすすめ。

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