グロリア 永遠の青春の映画専門家レビュー一覧

グロリア 永遠の青春

オスカー女優のジュリアン・ムーアが「ナチュラルウーマン」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したセバスティアン・レリオ監督の「グロリアの青春」に惚れ込み、レリオ監督自身がリメイクした“大人の青春“を讃えるロマンティック・ラブストーリー。主人公のグロリアを演じたジュリアン・ムーアは、年齢を重ねることに戸惑いながら、それでも仕事に恋に、人生を自由に生きたいと願うひとりの女性のパワフルで繊細な姿を演じ切った。恋人役を演じたジョン・タトゥーロは「バートン・フィンク」でカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞した実力派だが、本作では新しい恋愛を成就させたいと切望しながらも、家庭事情に阻まれてしまう晩年期のリアルな男性像を生々しく体現した。
  • 映画監督/脚本家

    いまおかしんじ

    体当たりとはこのことを言うのだと思った。絶対面白い映画にしてやろうというジュリアン・ムーアの意地が見える。ジュリアン・ムーアが踊りまくり、泣きまくり、笑いまくり、怒りまくる。セックスが始まる前に、彼のコルセットをバリバリ剥がすのが面白かった。おっさんおばさんの恋ならではのエピソードがてんこ盛りだ。後半、ジュリアン・ムーアが暴走する。そのキレっぷりも可愛くて、笑ってしまった。ジュリアン・ムーアすごいよ。えらいよ。意地見せたよ。

  • 文筆家/女優

    睡蓮みどり

    素直に告白してしまえばリメイクでない元の作品の方が好きだった。ジュリアン・ムーアが主演になったのだけど、ただただ彼女の“演技のスゴさ”を見せられているように感じてしまう。セバスティアン・レリオ監督の「ナチュラルウーマン」も「ロニートとエスティ」も確かに映画表現における新しい女性の描き方を模索していた思う。だけど現代において「自立して恋に奮闘して男に媚びない私」は正直古くさい。気になる監督だけに恐れずに新作を作っていって欲しい。次回作に期待。

  • 映画批評家、東京都立大助教

    須藤健太郎

    2013年製作の「グロリアの青春」のセルフリメイク。しかも、誰が見てもほとんど同じといいたくなるほどそっくりではあるが、まったく同じというわけでもなく、そのあたりのさじ加減に若干の戸惑いを覚える。ジュリアン・ムーアがやはりゴージャスすぎなので、主人公の人物像は全然別ものに見えるのだが。ちなみにアーノルドが朗読する詩(前作と同じ)が気になり調べてみると、クラウディオ・ベルトーニというチリの詩人の作。「僕は巣になりたい、もし君が鳥なら」と始まる。

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