Pure Japaneseの映画専門家レビュー一覧

Pure Japanese

ディーン・フジオカが、企画・プロデュース・主演を兼任するバイオレンス・アクション。アクション俳優として働く立石は、社交性がなく、日本の文化に傾倒する変わり者。ある日、祖父と暮らす土地が地元ヤクザに狙われている女子高生アユミを、立石が偶然助ける。共演は「朝が来る」の蒔田彩珠、「星屑の町(2020)」の渡辺哲。監督は「ハナレイ・ベイ」の松永大司。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    地方の温泉街という設定を差し引いても、白昼に女子高生の髪を?んで暴れるヤクザが現代にいるのだろうか。ヤクザだけじゃない。地方政治家や出稼ぎホステスの人物造形も、すべてが非現実的なレベルで類型的かつ古い。その必然として、グローバリズムやレイシズムに関する台詞が恥ずかしいほどすべっている。役者のガス抜きのために事務所が出資をした作品という印象を受けたが(あくまでも印象です)、この仕上がりでは役者のブランディングにおいてマイナスでしかないのではないか。

  • 映画評論家

    北川れい子

    外観は本質である、という言い方があるが、企画&主演のディーン・フジオカが、あえて日本人をビジュアル化して描こうとした意図は面白い。神社で独り黙々と肉体を鍛えているくだりなど、ストイックなイメージも。けれども結果として、かつての任?映画のパロディに近い、日光江戸村のアトラクションムービーになってしまっている。いや、それも計算のうちか。正面撮りの演出、映像が多いので、舞台中継のような場面もあるが、それでもなにげにタランティーノを連想したりも。

  • 映画文筆系フリーライター

    千浦僚

    ディーン・フジオカ演じる男の設定がアクションの音効担当というのがおもしろい。たとえば多くのミュージカル映画がダンサーを登場人物とすることでバックグラウンドものとして踊ることを自然なものに見せかけようとするように、アクションアクターが主役であるからアクション場面、という映画はいままでもたくさんあったが、本作にはそこに一拍のためらい、吃音がある。結局アクションするが。そういう意識はいささか仰々しい巻頭言にも関係あるだろう。

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