コンフィデンスマンJP 英雄編の映画専門家レビュー一覧

コンフィデンスマンJP 英雄編

『リーガルハイ』シリーズの古沢良太が脚本を手掛け、長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が出演したTVドラマの劇場版第3弾。マルタ島を舞台に伝説の詐欺師の称号をかけ勝負を始めるダー子、ボクちゃん、リチャード。そこにインターポールの捜査の手が迫る。出演は、「不灯港」の小手伸也、「罪の声」の松重豊、「劇場版 ルパンの娘」の瀬戸康史。監督は、前2作に引き続き田中亮が担当。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    日本のメディアはあまり取り上げないが、昨年世界(もちろん主に中国だが)で700億円以上の興収を叩き出した同ジャンルの「唐人街探偵 東京MISSION」でも大役を演じていた長澤まさみは、この東宝&フジテレビによるフランチャイズ作品の作劇の拙さや作品世界の袋小路感を誰よりも正確に体感しているのではないだろうか。いずれにせよ、いまだに日本芸能界のコンテクストに拠った出オチに頼っているような作品を映画として評価するならば、★は一つ以外つけようがない。

  • 映画評論家

    北川れい子

    長澤まさみの弾けっぷりは今回も上々で、コメディリリーフとして彼女のラフな演技に感心する。そもそもこのシリーズ、おふざけ上等、抜け駆けOK、リアリティとは無縁の大風呂敷を広げての大小の騙し合いが、ウリというか、見どころ。ただその大風呂敷や騙し合いがスクリーンの中だけの空騒ぎに終始し、観終わった途端、きれいサッパリなんにも残らない。消化がいいというより仲間同士のじゃれ合いばかりだからだ。いくら娯楽映画だと言ってもどこかに毒を入れてほしいと思ったり。

  • 映画文筆系フリーライター。退役映写技師

    千浦僚

    面白くなくはない。これだけいろいろ仕掛けて、俳優もチャーミングかつ頑張っていれば。ただ、ミスリードやどんでん返しが麻痺するほどにありすぎて、この映画はこういう話でこのキャラはこういう人物、ということがもはや液状化してる(長澤まさみのヒロインが表す感情すべてが信じられない)し、見せられているものがフェイクであるということが、全篇を覆う軽さの至極うまい言い訳として機能してしまうところが私にはなんだかズルく思えて、感覚が合わず。観てすいません。

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