唐人街探偵 東京MISSIONの映画専門家レビュー一覧

唐人街探偵 東京MISSION

中国の大ヒットシリーズ第3弾。中国の探偵コンビ、タン・レンとチン・フォンは、日本の探偵・野田に協力を依頼され、東京に飛ぶ。マフィアの会長の密室殺人事件で犯人として起訴されたヤクザの組長の冤罪のため、タイの探偵ジャーも加わり、事件解決に挑む。出演は、「新喜劇王」のワン・バオチャン、「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」のリウ・ハオラン、「浅田家!」の妻夫木聡、「モンスターハンター」のトニー・ジャー、「すばらしき世界」の長澤まさみ。監督・脚本は、シリーズ全作を手掛けるチェン・スーチェン。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    妻夫木聡、長澤まさみ、三浦友和、浅野忠信、染谷将太のうち3人でも自由にキャスティングすることができれば、作劇的にも商業的にも日本ではそこそこ「強い作品」を撮れるだろう。しかし、この中国のメガ・フランチャイズは日本の主演級俳優をサブキャストに並べるだけ並べて、演出らしい演出もつけることなく、終始ドメスティックなノリのドタバタ劇に放り込んでみせる。作品評価としては★2つだが、映画産業のリアルな現在地を知る上で「一見の価値はあり」。

  • ライター

    石村加奈

    前2作を未見でも、子供から大人まで楽しめる、安定のエンタメ大作。巧みな構成に見入ってしまった。主人公の探偵コンビ、タン&チンを演じた中国のスター俳優ワン・バオチャンとリウ・ハオランの軽妙さが、トニー・ジャーや、妻夫木聡、鈴木保奈美、三浦友和らベテラン俳優陣の新たな魅力を引き出す。長澤まさみが水責めに遭う大貯水槽のシーンなど、美術もインパクトがあり面白い。マイケル・ジャクソンの〈ヒール・ザ・ワールド〉辺りからラストへ至る怒濤の展開に、次作を期待!

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    シリーズ3作目だが前2作は未見なので、前作のラスト直結と思われる冒頭のアッパーなノリにイマイチついていけず。都内各所での大規模ロケに豪華オープンセット、日本人キャストは主役級を揃え、内容は「シャーロック」風の密室殺人ミステリー、多国籍なキャラたちの軋轢から巻き起こるドタバタコメディ、トニー・ジャーのアクション、残留孤児をめぐるシリアス展開。それらをごった煮にして潤沢な制作費を使い力技で仕上げている。いろいろあざといが、気にしなければ全篇楽しい。

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