ダニエルの映画専門家レビュー一覧

ダニエル

他人には見えない“空想上の親友”に翻弄される異色スリラー。幼少期のある事件から空想上の親友・ダニエルを封印したルーク。時が経ち、孤独と不安に苛まれたルークはダニエルを呼び起こす。カリスマ性溢れるダニエルの助言でルークの生活は一変するが……。出演は、ティム・ロビンスとスーザン・サランドンを両親に持つマイルズ・ロビンス、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子で「ミッドナイト・サン タイヨウのうた」のパトリック・シュワルツェネッガー。製作は、「ロード・オブ・ザ・リング」主演のイライジャ・ウッド。監督・脚本は、「デッド・ガール」のアダム・エジプト・モーティマー。
  • 映画・音楽ジャーナリスト

    宇野維正

    イマジナリーフレンドという、映像で表現する際には細心の注意が必要とされるはずの題材を扱いながら、驚くほど即物的なアプローチをしている本作。その意図は、サスペンスやスリラーではなくファンタジーホラーであることが判明していくにつれて飲み込めた。メインキャラクター以外の描き込みの足りなさは監督の力量不足だろうが、「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」に続いて本作を手がけたプロデューサーとしてのイライジャ・ウッドの一貫性には今後も注目したい。

  • ライター

    石村加奈

    イマジナリーフレンドが邪悪な存在だったなら? という発想がまず恐ろしいのだが、人形の家に閉じ込められていたダニエル復活後の描写に戦慄。子供のまま、時間の止まっていたダニエルが、もう子供じゃないルークとの溝に気づいた時の表情にゾッとした(P・シュワルツェネッガーの妖しさ!)。置いてけぼりを食らわされていた事実に気づいたダニエルがその後の悪ノリに拍車をかけたのだとしたら……。ジョンのエピソードを加えるより、ピュアなホラーになったのでは? 原作未読。

  • 映像ディレクター/映画監督

    佐々木誠

    孤独な青年ルークの前に、幼少期の想像上の友達ダニエルが同じように成長した姿で現れる、という冒頭から引き込まれるが、主演2人の美しさを際立たせる演出が徐々に目立ち、スリルが削がれる。旧約聖書に出てくる預言者の名前でもある“ダニエル”は、ルーク(聖ルカ?)の統合失調症による幻覚なのか、それとも悪魔(神?)の化身なのか、というミステリーとファンタジーの組み合わせの妙がそこまで効いてこないのは、演じるシュワJr.に妖しい色気が足りなかったからかな、と。

1 - 3件表示/全3件