PLAY 25年分のラストシーンの映画専門家レビュー一覧

PLAY 25年分のラストシーン

25年に渡る主人公の成長を、ホームビデオの映像で振り返る試みの斬新さで話題を集めたフランス映画。1993年。13歳のマックスは、両親から贈られたビデオカメラで、家族や友人たちとの日々を撮影し始める。やがてそれは、彼のライフワークとなり……。主演のマックス・ブーブリル(「ピッチの上の女たち」)は、監督のアントニー・マルシアーノと共同で脚本も手掛けている。2020年6月5日から公開延期。
  • 映画評論家

    小野寺系

    「クローバーフィールド/HAKAISHA」や「クロニクル」のように、フェイクドキュメンタリーの手法を利用しつつ、周到にカメラの位置を計算しながらドラマを見せていく。その撮り方で恋愛を扱うコンセプトは面白いし、予算なりの工夫が随所にうかがえる。だがコメディアンが演じる主人公の異様なテンションの高さや、彼の身勝手な態度ばかりが映し出されるために感情移入が難しく、そんな主人公にヒロインがずっと愛情を感じ続けているのは不可解。わだかまりが募ってしまった。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    フレンチ・コメディの特徴のひとつに、自らの体験を笑いで伝えることを挙げるとしたら、人気コメディアンが主人公を演じるこの映画はまさにそれ。少年時代から四半世紀にもわたって個人的に撮り続けたホームビデオをつないで観客に披露するのだから。時におふざけが過ぎて引いてしまうこともあるが、雑音を入れて時代感を出したり、カメラをブレさせて素人のビデオ・オタクを演出したりで、それなりに凝った作りをしている。画面に見える映像や通信などの情報ツールの進化が面白い。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    ある男が25年撮りためたものを編集した映像でありふれた人生を延々と見せてゆくこの手法はそれが本物であるなら素晴らしいが、あくまで作られたものであるし、フェイクドキュメントとしてもリアリティ面に首を傾げてしまう部分が多く、そもそも記録者が何でもビデオに収める趣味の男であるからどんなシチュエーションが映っていてもおかしくないというのは、これはもう設定からしてちょっとズルいなあと思ってしまうも、随所に技は感じるし、ラストは胸キュンでよかったよかった。

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