ムルゲ王朝の怪物の映画専門家レビュー一覧

ムルゲ王朝の怪物

16世紀の朝鮮王朝を舞台にした時代劇アクション。中宗22年、朝鮮は疫病が蔓延し、物怪(ムルゲ)という生き物の噂で民衆は混乱に陥っていた。そんななか、自身の失権を狙う陰謀を察知した王は、かつて政争で追放された最強の武人ユン・ギョムを呼び戻す。出演は、ドラマ『白い巨塔』のキム・ミョンミン、「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウシク、ドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』のイ・ヘリ、「ホワイトバッジ」のイ・ギョンヨン。監督は、「奴が嘲笑う」のホ・ジョンホ。
90
  • 手に汗握る
  • 怖い
  • 重厚感のある
  • 映画評論家

    ヴィヴィアン佐藤

    巨大な怪物といえば「ジョーズ」や「ゴジラ」が古典だ。前者は出現させない恐怖を、後者は出現する畏怖を表した。このムルゲはその時代の暴君が生んだもので、著しく姿を現すので後者のタイプとなる。巨大ではあるが宮殿内を暴れまわる姿は、大きさを感じさせず、どちらかといえばケージに入った可愛いペットさながら。むしろよく飼い慣らされているようにさえ見える。映画とは視覚芸術であるが、いかに視覚化されないものを現出させるか。その意味では感心できなかった。

  • 映画評論家

    藤木TDC

    古装時代劇に権力闘争の具現として怪物を登場させる設定は宮部みゆきの小説『荒神』や映画「ジェヴォーダンの獣」に似るも、めまぐるしい剣戟をふんだんに挿入し純粋にエンタメを追求した点に独自性がある。中盤から出ずっぱりで暴れ回る怪獣……というより巨獣は筋肉質タイプでCG製のハイスピードな動き。私の趣味からすれば着ぐるみの脂肪質怪獣がノロノロ動くほうが燃えるのだが、女優もかわゆいオタク好みのキャラだしモンスター映画好き男性観客には満足できる出来だろう。

  • 映画評論家

    真魚八重子

    韓国の王朝時代劇は妖艶な雰囲気もあってなかなか当たりが多いのだが、本作は凡庸な物語に終始してしまっている。朝鮮王朝怪奇ネタで、ネットフリックスの『キングダム』のような秀逸な近作もあるだけに、この作品は権力争いの構図に個性がなく、モンスターの造形の魅力のなさも見劣りしてしまう。怪物の発生理由は霊的で良い着眼点だし、アクションも力が入っているが、登場人物がいささか記号的で、ほっこりした展開に持っていく突き抜けなさが予定調和を感じさせる。

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映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 5/14

インディラ・ヴァルマ(1973)

ナショナル・シアター・ライブ2020「プレゼント・ラフター」

イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターが厳選した傑作舞台を映像化するプロジェクト「ナショナル・シアター・ライヴ」の1作。スター俳優ギャリー・エッセンダインが海外ツアーに出かける準備をしていたところ、個性的な面々の訪問を受け、彼の生活はハチャメチャに……。現代の名声・欲望・孤独を投影した作品。主演は、ドラマ「SHERLOCK」のジム・モリアーティ役など映像分野でもおなじみのアンドリュー・スコット。

ナショナル・シアター・ライヴ 2016「人と超人」

イギリス国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターで上演された舞台をデジタルシネマ化した「ナショナル・シアター・ライヴ」シリーズの一作。レイフ・ファインズ扮する独身貴族ジャックが、現実からの逃避行を図るバーナード・ショーの戯曲を収録。共演は「エクソダス 神と王」のインディラ・ヴァルマ、「キャプテン・フィリップス」のコーリイ・ジョンソン。
ソフィア・コッポラ(1971)

オン・ザ・ロック

ソフィア・コッポラが監督・脚本を務めたコメディ。新しく来た同僚と残業を繰り返すようになった夫に疑いを抱いた若い母親ローラは、プレイボーイの自分の父親とともに夫を尾行することに。2人は夜のニューヨークを駆け巡りながら、その距離を近づけていく。出演は、「デッド・ドント・ダイ」のビル・マーレイ、「カムバック!」のラシダ・ジョーンズ、「デンジャラス・バディ」のマーロン・ウェイアンズ。

ようこそ映画音響の世界へ

ハリウッドの映画音響に焦点をあてたドキュメンタリー。その進化において大きな偉業を残した「市民ケーン」「鳥」「ゴッドファーザー」などの名作から映画音響の歴史を紹介。さらに、スペシャリストたちと共に“音”が映画にもたらす効果と重要性に迫っていく。出演は「地獄の黙示録」のウォルター・マーチ、「スター・ウォーズ」のベン・バート、「ジュラシック・パーク」のゲイリー・ライドストローム。