「落下の王国」のストーリー
1915年。映画撮影中に橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイ(リー・ペイス)は、私生活でも恋人を主演俳優に奪われ、自暴自棄になっていた。そこに現れたのが、オレンジの樹から落下、骨折して入院していた5才の少女アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)。自ら動くことのできないロイは、自殺するための薬を薬剤室から盗んでこさせようと彼女を利用することを計画。彼女の気を引くために、思いつきの冒険物語を聞かせ始める…。それは6人の戦士が、総督オウディアスへ復讐を果たす物語。弟を殺されたオッタ・ベンガ、妻を誘拐され死に追いやられたインド人、爆発物の専門家であるがゆえに危険分子とされたルイジ、幻の蝶の死骸を送りつけられた英国の博物学者チャールズ・ダーウィンと猿のウォレス、弟と共に死刑を宣告された仮面の黒山賊、そして、神聖な森を総督に焼き払われた霊者。彼らが総督の牙城に向かう途中、総督の旗を掲げた山車に遭遇、鞭に打たれる奴隷たちを解放しようと6人は山車の扉の前に立つ。中から姿を現したのは、扇で顔を隠した姫。一行は姫をさらい、一旦隠れ家に戻り雌伏する。その後、姫と黒山賊の間に愛が芽生え、結婚することになるが、式を取り仕切った司祭の裏切りによって一行は捕らえられる。砂漠の真ん中に鎖で繋がれた戦士たち。すると、ウォレスが入っていたはずの皮袋から仮面をつけたアレクサンドリアが出てくる。彼女は黒山賊の縄をほどき、手に銃を持たせた…。しかし、先ほど飲んだ睡眠薬によってロイは意識を混濁させその場に倒れこんでしまう。アレクサンドリアはロイに喜んでもらおうと再び薬剤室に忍び込むが、モルヒネの瓶を掴もうとした瞬間、転倒し床に落下する…。アレクサンドリアのベッドの脇で泣き崩れるロイ。彼は彼女に作り話を聞かせていたことを告白する。しかし、それでもアレクサンドリアは物語の続きをせがむのだった……。