「愛に迷った時」のストーリー
南部の名家に生まれ育ったグレイス(ジュリア・ロバーツ)は、大学のダンス・パーティで知り合ったエディ(デニス・クエイド)と結婚。妻として、一人娘キャロライン(ヘイリー・オール)の母として、満ち足りた日々を送っていた。ある日、グレイスはエディが見知らぬ女性とキスとしている光景を偶然に目撃。しかも、夜中になっても帰宅しない夫にたまりかねた彼女は寝巻姿のまま街を捜し歩き、ついにバーにいた夫を発見。浮気を問い詰めたものの、相手はシラを切り通すばかり。結局、彼女は娘を連れて実家の離れに住む姉エマ・レイ(キーラ・セジウィック)の元に転がり込む。翌日、実家を訪れたエディは平謝りに謝るが、事態を曖昧にしたまま戻る気になれなかったグレイスは、婦人会の集会で「夫と寝た人は手を挙げて」と爆弾発言。たまりかねたエディは、彼女に離婚の意思を問い、話し合いの場を持つことになった。グレイスは「私は獣医になりたかった。結婚したのは妊娠したからよ」と言い、互いに長年積もり積もった不満をぶつけるが、エディは真剣に復縁を望んでいた。彼の熱意にグレイスの心が揺らぎかけた時、エディをこらしめてやろうとする伯母の特製料理=毒入りサーモンが効力を発揮し、彼は病院に担ぎ込まれ、戻りかけた夫婦のヨリも元の木阿弥に。しかも混乱状態のグレイスは、病院に来た母ジョージア(ジーナ・ローランズ)に、競争馬の牧場主である父ワイリー(ロバート・デュヴァル)の愛人関係を暴露してしまい、おかげで父は家から閉め出しを食らってしまう。それまで専制君主的な父に従っているだけだと思っていた母の造反は、グレイスに新たな展望をもたらした。以前から憎からず思っていた馬主のジェイミーとベッドインをしようとするが果たせず、かえってエディへの思いの深さを再認識する。キング牧場の人々が心待ちにしていた馬術協議会の日が来た。キャロラインはジュニア・ジャンプ部門でみごと優勝を飾り、グレイスは子煩悩なエディの気持ちを思いやって、ひと晩だけ彼と過ごさせてやることにした。翌日のナショナル・グランプリ・ジャンプ部門の競技には、ワイリーが出場したが、あと一歩のところで優勝を逃してしまう。落ち込むワイリーに、ジョージアは慰めの言葉をかけ、過去の過ちを許すのだった。その夜、牧場で開かれたパーティでグレイはエディとダンスを踊るうち、彼と出会ったころのときめきが蘇るのを感じた。真夜中、彼女の寝室に忍び込んだエディは、「以前の二人に戻れるなら戻りたい」とプロポーズするが、彼女はそれを受け止めながらも後戻りはしない決意を打ち明ける。グレイスは獣医学校に復学し、エディとは夫ではなく恋人同士としてのパートナー・シップを選んだ。