「闇の歯車」のストーリー

逢魔が刻。それは黄昏。人の顔は闇に溶け、街を静けさが支配する一瞬の時間。江戸時代、人々は魑魅魍魎が蠢くと言われるその時刻を、畏れを持って迎えた。初秋の頃、江戸・深川。闇の世界で日々の糧を得る佐之助は、行きつけの酒亭“おかめ”で、謎の男・伊兵衛と出会う。“儲け話がある”と誘う伊兵衛の言葉に危険な匂いを感じて席を蹴る佐之助。同じ頃、ふとしたきっかけで、おくみという女と暮らすことに。彼女との未来に仄かな希望を抱いた佐之助は、伊兵衛の誘いに乗る。しかし、仲間になったのは浪人、若旦那、白髪の老人という、いつもおかめで顔を合わせながら、口をきいたこともない男たちだった。佐之助も含めて、いずれも押し込みなどしたことのない素人4人と伊兵衛。決行は逢魔が刻。狙うのは、さる商家に眠る七百両。廻り出す闇の歯車。それぞれを取り巻く女たちをも巻き込み、人生の歯車が静かに狂い始める……。