「チャンプ(1979)」のストーリー

元プロボクシングのチャンピオンだったビリー・フリン(ジョン・ボイト)は、ハイアレア競馬場の厩務員として働き、酒とギャンブルに浸りながら、再びリングに戻ることを考えていた。彼は、かつては妻アニー(フェイ・ダナウェイ)と1人息子のT・J(リッキー・シュローダー)と幸福に暮していたが、アニーの突然の家出で、脆くも幸福が崩れ、残された父と子でひっそりと暮しているのだった。T・Jは、そんな父をパパと呼ばず「チャンプ」と呼んて尊敬し、父が再びチャンピオンになることを願っていた。ある日、ギャンブルで大儲けをしたビリーは、T・Jのためにサラブレッドの若駒をプレゼントした。厩務仲間のライリー(ストローザー・マーティン)に引かれてやってきた馬を見てT・Jはこの上なく喜び、シーズ・ア・レディと名付けた。このT・Jの馬がレースに出ることになった日、TVのインタビューに自信満々で答えている過去3年間の優勝馬ジャスタセクの馬主ドリー(ジョーン・ブロンデル)が、アニーを連れて来ていた。今のアニーは、学者のマイク(アーサー・ヒル)と再婚し、自らはファッション・デザイナーとして世界中に名をはせ、大成功を収めていた。ここには、ファッション・ショーを開くためにやってきたのだった。感じの良いアニーに、T・Jは自分の馬に賭けるように話すが、レースがはじまって、ゴールに近づいた時、T・Jの馬は転倒してしまう。思いがけない事故で、駆けつけたT・Jとビリーの様子を双眼鏡で追っていたアニーは、T・Jが自分の子供だと知って呆然とした。7年ぶりの運命のいたずらだった。厩舎を訪ねたアニーであったが、ビリーに冷たく言い放たれる「T・Jの母親は交通事故で死んだ。もうここにはいない」と。数日後、それでもビリーは、T・Jをアニーに会わせた。母親と名乗れないながらもアニーはT・Jをしっかり抱いた。アニーの出現で苦しんでいたビリーは、それをまぎらすために賭けに夢中になり、その借金をうめあわせるためにアニーのもとに借りに行く。小切手を手にしたビリーは、翌朝、借金の代わりに馬がいいという店主を殴り、果ては警官まで殴り、留置場行きとなった。心配して面会にやって来たT・Jに、ビリーは涙ながらにアニーのところへ行け、と話した。アニーは自分が母であることを秘めてT・Jに接していたが、ある日、ついに事実を口にしてしまう。涙に濡れ、愛するッチャンプの胸に走り帰ったT・Jは、ハイアレア競馬場のスタンドで、しっかりビリーの腕に抱かれた。ビリーは、その時、遂に再びチャンピオンになることを決心し、かつてマネージャーだったジャッキー(ジャック・ウォーデン)を呼びよせ、本格的なトレーニングを開始した。37歳という年令と戦いながら、厳しいトレーニングを続け、遂にタイトルマッチの日がくる。場内には、T・Jの知らせで、はるばるニューヨークからかけつけたアニーの姿があった。そして、ビリーは遂に王者にカムバックした。しかし、観衆の歓声をききながらビリーの意識は遠ざかっていき、控室でT・Jを傍に呼ぶと静かに息を引きとった。チャンプと泣き叫ぶT・Jを、部屋に入ってきたアニーがしっかりと抱きしめるのだった。

映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 6/25

リンダ・カーデリーニ(1975)

カポネ

実話に基づき、伝説のギャング、アル・カポネの最晩年を描いたドラマ。1940年代半ば。長い服役生活を終え、フロリダの大邸宅で家族や友人たちに囲まれ、静かに隠居生活を送るカポネ。だが、そんな彼をFBIはいまだに危険視し、監視を続けていたが……。出演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディ、「ハウス・ジャック・ビルト」のマット・ディロン、『ツイン・ピークス The Return』のカイル・マクラクラン。監督・脚本は「クロニクル」のジョシュ・トランク。

ラ・ヨローナ 泣く女

「死霊館」シリーズの生みの親ジェームズ・ワン製作の下、中南米に伝わる怪談を映画化。1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子どもの母親の警告を無視したソーシャルワーカーのアンナは、自分の子どもたちと共に恐ろしい怪現象に遭遇する……。出演は「ハンターキラー 潜航せよ」のリンダ・カデリーニ、「アナベル 死霊館の人形」のトニー・アメンドーラ。
牛原千恵(1966)

ひめゆりの塔(1982)

太平洋戦争末期、全島が戦場と化した沖縄で、ひめゆり部隊と呼ばれ陸軍病院に配属された乙女たちのはかない青春を描く。28年ぶりの再映画化は脚本・水木洋子、監督・今井正と同じコンビ。前作では果たせなかった沖縄現地ロケを行ない、撮影は「裸の大将放浪記」の原一民が担当。

ゆき

天界からやってきた少女ゆきが、弱い百姓と共に戦う姿を描く。斎藤隆介の原作のアニメーションで脚本は宮崎晃、監督は「あにいもうと(1976)」の今井正がそれぞれ担当。

NEW今日命日の映画人 6/25

ラウ・カーリョン(2013)

セブンソード

武侠映画の第一人者ツイ・ハーク監督が、中国、香港、台湾の人気俳優を起用し壮大なスケールで描くアクション巨編。中国を代表する武侠小説の大家、リャン・ユーシェンの『七剣下天山』に基づき、清軍の蛮行を阻止するため立ち上がる7人の剣士の活躍を描く。出演は、香港四天王のレオン・ライ、「HERO」のドニー・イェン、「香港国際警察/NEW POLICE STORY」のチャーリー・ヤン他。

ペディキャブ・ドライバー

40年代のマカオを舞台に、ペディキャブ(自転車で引く人力車)の車夫が、恋に喧嘩に大活躍するアクションもの。監督・製作・主演の3役をこなしたのは「五福星」シリーズなど諸作で知られるサモ・ハン・キンポーで、彼の80年代の活動における集大成というべき一編。脚本は「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」のバリー・ウォン(王晶とは別人)と「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のユェン・カイチー、音楽は「誰かがあなたを愛している」のローウェル・ロー(助演も)、美術は「恋する惑星」のウィリアム・チョン。共演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのモク・シウチョン(マックス・モク)、「スウォーズマン/女神伝説の章」のファニー・ユン、「ツイン・ドラゴン」のニナ・リー、「山中傅奇」「空山霊雨」のスン・ユエなど。また、サモ・ハンの人脈を反映して、「霊幻導士」シリーズのラム・チェンイン、「酔拳2」のラウ・カーリョンたちがカメオ出演している。別邦題「帰って来たデブゴン 昇龍拳」。