「ギルダ」のストーリー

アメリカの青年ジョニイ・フアーレルは、何に絶望したのか、人生を冷眼視して、流れ流れて南米の涯の港、とある賭博場で、いかさまサイを転がして危ない渡世をしている。それがバレて殺されかかった時に、マンドソンという男に救われる。その男は大仕掛な賭博場を持っており、ジョニイはそこで働くこととなる。ジョニイの過去の秘密をマンドソンは聞こうともしなかったが、その原因が女であることはおおよそ想像がつく。ともかくジョニイの捨てばちな気持ちは賭博の親分には好都合であり、たちまちジョニイはマンドソンの右腕となる。賭博場で彼は奇妙な哲学者のポーター、アンクル・ビオや、賭博場のオブレゴンと知り合いなる。マンドソンは、店をジョニイに任せて旅に出たが、帰って来た時には美しい花嫁ギルダが一緒であった。彼女こそジョニイの過去の女である。いったんは別れて仲ながら再びあい見れば、ギルダにはマンドソンより若くて男振りのいいジョニイに心引かれる。しかし男は冷淡である。それが憎くギルダは心にもなく、お客の誰彼と露骨にたわむれる。そのようなギルダの姿を見せつけられると、本当は彼女を忘れ得ないジョニイの胸は煮え返る思いである。ベルリンは既に陥落したが、マンドソンのカジノが、ナチスパイ団の巣窟の1つであることをジョニイはかぎつける。一夜1人のドイツ人が、カジノで殺される。その夜、ジョニイは耐えられなくなったが、ギルダのアパートに訪ねてゆく。同じ思いの2人が、抱擁している時、マンドソンはその様を見届けたらしい。思う所にあって、自殺の体をよそおってマンドソンは失踪する。親分が死んだと思ったジョニイは、親分の仇討ちの目的でギルダと結婚する。ギルダはモンテヴィデオに逃れ、カフェの歌手となる。賭博師の仮面を破っていたオブレゴンは、政府の密偵である。彼はギルダが何も罪のないことをジョニイに告げる。愛人同士が和解した時、マンドソンは影のように現われ、2人を射殺しようとした。その刹那、彼の背後をずぶりと刺したのはアンクル・ビオである。しかしマンドソンは、政府の記録では自殺したことになっている、といってオブレゴンはビオを放免し、ギルダとジョニイは新生を求めて故国アメリカへ向かうのであった。