「侠雄巴白浪」のストーリー

太平洋を渡ってアメリカへ行く汽船上での出来事。その船にその名四海に普き大盗ローン・ウルフが乗っているから用心しろとスコットランドャードからの飛電が来る。その汽船に乗り合せたエーヴ・ド・モントレエ嬢は高価な寳石を持っていた。それは上陸後、その寳石を買却して兄の窮状を救う資金としようとしてであった。この宝石に眼をつけたのが女賊リアヌとその仲間のピニュイ、ポピノの一味であったが、彼らの計書は悉く通称ローン。ウルフことミカエル・ランヤードの出し抜き、妨ぐる所となった。そしてミカエルとエーヴとの間の友情はそうした事件がある度ごとに親しくなって行った。彼らがニューヨークに到着した後、リアヌ一味はことごとにローン・ウルフに翻弄させられるので、ついに最後の手段にでた。すなわちエーヴにはミカエルが実はローン・ウルフその人であることを知らせ、同時に彼女を計って宝石を奪った。ミカエルがローン・ウルフであると知ったエーヴはミカエルが己れの宝石を目的として己れに近づいたのだと彼を誤解した。その誤解を解くためにローン・ウルフは奮然立って独り悪漢の巣窟に赴いた。そして奇智と敏捷とを以てよく、秘密探偵の一団と共に、悪漢輩を一綱打盡として宝石を取り返して来た。秘密探偵ローン・ウルフは斯くしてエーヴと共にフランス行きの船に乗って新しき門出に向った。