「丸木舟とUFO」のストーリー

美しい海に面し、20数名が暮らす石垣島の北部・久宇良集落。高齢・過疎化が進むこの地も60年以上前には開拓移民の集落として10倍以上の人で賑わっていたが、僻地であることや災害などで多くの人が去っていった。そんな久宇良に流れ着いたのが首都圏から移住してきた吉田友厚さん一家。インド放浪の後、運命に導かれ集落に根を下ろした夫妻だったが、人や仕事の少ない久宇良で生活するために転職を繰り返してきた。貧しい暮らしに追われるなか、36歳で出会ったのがサバニ〈本剥ぎ〉の船大工という仕事であった。サバニとは、沖縄の海人が利用してきた木造船。九州の杉材で作られ、造船には熟練の技術が必要だが、木造のサバニに乗る漁師が殆どいなくなったため需要が減り、職人も育たなくなった。しかし船大工を天職と信じ続けた結果、友厚さんは数年で生計を立てていくことに成功。今では手作りサバニのガイドツアーで静かなブームを起こしつつある。一方、そんな彼をずっと見守ってきた久宇良集落の先輩のお年寄りたち。集落で生きる上で大切な約束事を伝え、叱咤し、笑いと悩みを共有してきたのであった。近年の久宇良集落では、UFOを呼ぶ住民の方〈UFOおじさん〉を筆頭に、皆で空を見上げるというローカルブームが発生。今日も集落の大部分の人々が星空を眺めている……。

今日は映画何の日?

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