「ガザ 素顔の日常」のストーリー

穏やかで美しい地中海に面しているガザの気候は温暖で、花やイチゴの名産地。若者たちはサーフィンに興じ、ビーチには老若男女が訪れる。海辺のカフェの飛び切りハイテンションな店主に朝会えば、間違いなく誰もが幸せな一日を過ごせるはずだ。だが、東京23 区の6 割ほどの狭い場所に、パレスチナ人約 200 万人が暮らすガザの住民の約 7 割は難民で貧困にあえいでいる。イスラエルはガザを壁で取り囲むのみならず、2007年以後は物資や人の移動も制限する封鎖政策を続け、陸も海も空も自由が奪われたガザは「天井のない監獄」と呼ばれる。2014 年と2018 年の戦争では、多数の学校、病院、家屋、発電所などが破壊され、多くの命が失われるなど、ここには命の保証もない。それでも日常を力強く生きようとする人々がいる。19 歳で現実逃避するためにチェロを奏でるカルマは海外留学して国際法や政治学を学びたいと考えている。14 歳のアフマドの夢は大きな漁船の船長になり兄弟たちと一緒に漁に出ることだ。タクシー内で歌う人々や、あふれる想いを叫ぶ若いラッパーに、妻が3人、子どもが40人いる漁師のおじいちゃんもいる。「欲しいのは平和と普通の生活」。ガザの人々は今日も夢見ている。

今日は映画何の日?

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