「美しき山賊」のストーリー

人殺しのモンテロとその相棒で聾唖者のコロソとは首に大金の懸っているお尋ね者である。マナースというシェリフとその率いる一隊は彼等を追ってアリゾナの沙漠を驅馳しているが2人の兇賊は巧みに逃れて縛に就かない。或夜モンテロは吝嗇漢として忌み嫌われているパーキンスが経営している銀行を襲おうとして忍び寄った時、音楽教師の美しいヘレン・ウォーデルの歌声に聴き惚れて盗賊稼業の方を忘れてしまったのでコロソは憤慨したが追っつかない。大胆なモンテロはヘレンの部屋に押入って自己紹介をすると、気丈なヘレンは別に咎めようとはしなかったが、自分にはホワードという婚約者があるのだから早刻立去って呉れと言った。そして彼女はパーキンスがホワードに3000ドルの貸金我あるのを盾にとって彼女に結婚を強いていることもモンテロに打明けた。パーキンスはモンテロをお尋ね者と知って、金が欲しいなら明日バー・W牧場に来いと告げる。其の時シェリフ隊が現れたので2人の盗賊は逃走し翌日約束の刻限に牧場へ行くと、パーキンスが待っていてホワードを殺してくれたら1200ドルを與える、その代りパーキンス自身は抵当に入っているホワードの牧場とヘレンとを貰うつもりだと申込んだ。侠気に富むモンテロは一応承諾してからホワードに委細を打明け協力してパーキンス懲そうと約束する。モンテロは改めて5000ドルの人殺し料をパーキンスに承知させる。翌日モンテロは人殺しの狂言を打って見せると、パーキンスはホワードが殺されたものと信じたが5000ドルをモンテロに支払う代りにシェリフの一隊をさし向けた。ヘレンはマナースからモンテロが危ういことを聞き先廻りしてモンテロに警告した。モンテロは待伏せして巧みにシェリフの一隊を武装解除させ、パーキンスに5000ドルを払わせた。そしてパーキンスをホワードの牧場に連行して、モンテロはパーキンスが治安判事であることを奇貨とし彼にホワードとヘレンとの結婚式を行わせた。モンテロは新郎新婦に5000ドルの結婚お祝いを與えて密月旅行に出発させたのである。