「月夜釜合戦」のストーリー

労働者たちが多く暮らす大阪・釜ヶ崎。遊郭・飛田を仕切る釜足組の代紋が彫られたお釜の盃が、流浪の芸人・逸見(緒方晋)に盗まれる。慌てたチンピラたちは、その行方を捜して手当たり次第にあちらこちらの釜を買い漁り始める。それを見ていた情報屋・源次郎が「釜が売れる」と広めたため、労働者たちは仕事を放り出して釜泥棒を始める始末。その中には、泥棒が趣味の大洞仁吉(川瀬陽太)とその相棒カズ(カズ)、仁吉とは因縁浅からぬ仲の釜足組の一人息子・タマオ(渋川清彦)、活動家のゴンスケ(赤田周平)、アルミ缶拾いで暮らすまっちゃん(下田義弘)&やまちゃん(大宮義治)のコンビなどがいた。仁吉の幼なじみの私娼メイ(太田直里)や孤児の貫太郎(門戸坊)らが呆れ顔で見守る中、釜を巡って巻き起こる騒動の結末は……?