「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」のストーリー

フランス国王ルイ14世によって創設されたバレエ団、パリ・オペラ座は、356年という年月にわたり、世界中から愛され続けているバレエの殿堂である。はたして、その伝統はどのように伝わってきたのか? 高度なテクニックはもちろんだが、それだけでは観衆に夢や幸福まで与えることはできない。本作は、激しい競争を勝ち進んできたバレエ・エリートたちのトップに君臨するエトワールの過酷なまでの練習風景や、ドラマティックなクリエイションの舞台裏を追いかけると共に、伝統を受け継ぎ、次に伝えて行く者たちの真実に迫る。2013年にエトワールを退いたアニエス・ルテステュは、“ニジンスキーの再来”と称えられたルドルフ・ヌレエフから直接指導を受けた最後の世代である。ルテステュが彼の教えを注目のエトワール、アマンディーヌ・アルビッソンや、プルミエール・ダンスーズのオニール八菜に託そうとする姿が映し出される。さらに、エトワールのマチュー・ガニオのダンサーという職業に対する本音や、彼が出演したマリインスキー劇場の『ジゼル』の映像も披露する。そのほか、ウリヤーナ・ロパートキナのストイックなリハーサル風景や、コンテンポラリー・ダンスの振付家ウィリアム・フォーサイス、前芸術監督でナタリー・ポートマンの夫でもあるバンジャマン・ミルピエも登場する。