「ウィーンの再会」のストーリー

欧州大戦以前、オーストリアのフランツ・ヨセフ皇帝の豪華時代、宮廷の美女エリーナは狂熱的な、魅力あるルドフ大公と熱烈に恋し合った。大戦後彼女は縁あってウィーンの心理学の泰斗アントン・クラグ博士と結婚した。その後ハプスブルグ王朝再建を計る帝政派の人々がウィーンに会合した。エリーナは大公と顔を合わすことを恐れて出席を拒絶したが、彼女の夫は彼女の昔の恋人の今の有りのままの姿に接したならエリーナの心を常に苦しめている過去の思い出が消え去るかもしれないと思って、彼女の出席を熱心に勧めた。案の定ルドルフは官憲の厳重な監視の眼を掠めて潜行しその会合に臨み、エリーナを見出して昔と変わらぬ恋心の燃ゆるのを覚えたがエリーナは結婚の誓いの神聖を守りその場を立ち去った。大公は彼女の家までエリーナを追って行った。アントンは大公が安全に国境を越え得るように許可書を手に入れに外出した。ルドルフとエリーナは2人きりで1つの家に共に一夜を明化したがこわれたロマンスの破片をどうしよう術もなかった。博士の妙計は図にあたって、翌朝彼が帰宅してみれば大公はウィーンから永久に立ち去ろうとしているところだった。そしてエリーナはアントンと共に家庭生活にいそしむことに満足するのであった。