「ウィーズ」のストーリー

サンクエンティン刑務所。音に聞こえた重犯罪者たちの行きつくところ。監房の扉が一斉に開き、囚人たちが無表情に行進していく。その中の1人が突然、叫び声と共に階下に投身する。しかし、死に切れない。強盗そのほかの常習犯で恩赦なしの終身刑のリー・アームステッター(ニック・ノルティ)だ。身から出た報いとはいえ、この絶望感から逃れるためにリーは図書館から本を借り、名作を次々と読破していった。3年後。文学的素養をいっぱいにつめこんだリーは、慰問公演の『ゴトーを待ちながら』を食い入るように見つめていた。そして、リーは自分でも戯曲を書こうと思い、「WEEDS」を書きあげる。これは自分たちの日常を綴ったもので、仲間の囚人から演技者をつのり、副所長の許可も出て無事に公演にこぎつける。そしてこの舞台を見た女性記者のリリアン(リタ・タガート)の尽力もあって、リーは夢にまでみた仮出所を承認される。リーはリリアンに愛を感じ、彼女もそれを受け入れるのだった。やがてリーはすでに出所しているかつての仲間を集め、劇団を結成。巡業用のトレーラー車を仕入れて勇躍、旅に出た。しかし、途中で彼の書いた「WEEDS」がジャン・ジュネの「通夜」の盗作だと指摘され、リーは戯曲の改編を余儀なくされた。また仲間が巡業先で万引きをしたり、リーの浮気がリリアンにばれたりと、なかなか順風満帆とはいかなかった。だが、劇の方は改編後、さらに評価があがり、NYのプロデューサーからオフ・ブロードウェイの舞台の話が来た。そして緊張の初日。リーは両親を呼びよせ、親孝行をし、場内の熱狂的な拍手を浴びるのだった。