「暴力には暴力だ」のストーリー

1899年、金鉱景気に沸き立つアラスカのノームでは、政府から派 遣された鉱区監督官のマクナマラ(ロリー・カルホーン)が、所有権争いで揉めている金鉱を法律的に決定するまで、仮処分にして管理しはじめたので俄然大騒ぎになった。その最中に、最大の金鉱マイター鉱山の共同経営者ロイ(ジェフ・チャンドラー)とデクストリイ、スティルマン判事とその姪ヘレンを乗せた船がサンフランシスコから着いた。ロイの恋人で町の酒場の女将チェリー(アン・バクスター)は浜に出迎えたが、ロイとヘレンが親しげな様子に憤然と帰った。数日後、スティルマン判事とマクナマラが警官をつれてマイター鉱山に現れ、鉱山を仮処分にしたうえマクナマラが管理に当たる旨を通達した。ギャロウェイなる男が鉱山の所有権を申請したという理由である。デクストリイは力ずくでも鉱山を渡さぬと主張したが、ロイは判事を信用してその命令に服した。だが、8万ドルの金を入れた鉱山の金庫がいつの間にか町の銀行の大金庫に移されていたことから、ロイたちはマクナマラ一味の奸計をはっきり知った。スティルマン、マクナマラ、ヘレンたちは詐欺団の一味で、監督官の職を勝手にでっち上げ、一儲けたくらんでいたのだ。ある夜ロイとデクストリイが銀行の金庫破りに出かけたのをきっかけに、鉱山をめぐって善悪入り乱れての闘争がはじまり、遂にロイはマクナマラとチェリーの酒場で激しい肉弾戦のすえ、これを倒した。鮮血と泥にまみれたロイを、走り寄ったチェリーが抱きしめた。