「ブールバード・ナイト」のストーリー

メキシコ系アメリカ人たちの居住地区。地下道の壁に書かれたVGVの文字の上に自分のグループ名11番街ストリーターを書くトビー(ロバート・カバルビアス)。VGVは彼のライバルのグループ名バリオ・グランデ・ビスタの略称。そのVGVのメンバーが、その時いきなり飛び出してきてすさまじい殴り合いとなった。その仲裁に入ったのは、もとVGVの凄腕レイモンド(リチャード・イニグエス)。翌明、レイモンドは、弟チュコ(ダニー・デ・ラ・パッツ)の将来を心配する母(ベティ・カルバロー)と小さないざこざを起こしたが、そのあと、弟を自分が働いている自動車修理工場の経営者ジル(ジェームズ・ビクター)のところにつれていった。幸いチュコはやとわれ、レイモンドは、彼がチンピラ仲間から抜け出してくれるだろうと希望を抱き、その夜、チュコを愛車にのせ、ガールフレンドのシェイディ(マルタ・デュ・ボワ)のところに行った。助手席のチュコを見て驚いたシェディだったが、とにかく3人いっしょに出かけることにした。運悪くショッピング・センターの駐車場でバッタリ仲間たちに出会ったレイモンドは、地上をどこまで高く車で跳躍できるかという危険な競技に挑戦するハメになってしまう。困って帰ろうとするシェイディを追って、思いとどまらせようとしていたところへ、チュコの仲間がやってきた。VGVの連中と11番街ストリーターの面々が今にもケンカを始めようとしているというのだ。競技のことはそっちのけで、かけつけたレイモンドだったが、すでにおそく、分け入ってもん着をつけているところへ警官がかけつけ、レイモンドは逃げたが、チュコは逮捕されてしまった。平隠妨害の罪だけで釈放された彼は、しかし、この事件以後、いっそうVGVに深入りし、トビーに復讐を誓ったり、仕事に遅刻する始末。一方、レイモンドとシェイディの仲は深まり、2人の間では結婚の話が進められていた。家出して町をふらついていたチュコは、レイモンドの結婚披露宴に姿を現し、みなを喜こばせたが、そのムードが銃声によって一変した。そして銃弾は、チュコの母の背を撃ちぬいた。母殺しの犯人をさがしはじめたチュコとレイモンドは、トビーらの仕業とにらみ、遂にチュコはトビーを撃ち殺してしまった。かけつけたレイモンドの車に逃げこんだチュコは、しかし、執拗に追いかけてきたトビーの仲間に撃たれ絶命するのだった。