「バーフライ」のストーリー

ロスの場末の酒場“ゴールデン・ホーン”には様々な人間がたむろしている。感性の鋭い若き作家ヘンリー・チナスキー(ミッキー・ローク)もその中の1人。彼は社会の歯車に組み込まれるのを拒んで酒に明け暮れ、気がむけばペンを走らせる。酒を呑み、バーテンのエディ(フランク・スタローン)と殴り合いばかりしている毎日だ。そんなある日、ワンダ(フェイ・ダナウェイ)と知り合う。彼女も人生に幻滅感を抱いて酒に溺れる毎日だった。恋とは無縁の2人だったが恋におち、共同生活を始めるようになった。そんなヘンリーの周辺を調査する私立探偵の姿があった。依頼主はタリー(アリス・クリッジ)という女。彼女は雑誌のオーナーで、彼の才能に目をつけ、現在の悲惨な状況から脱け出させ、執筆に必要な資金と環境を提供しようと申し出た。だが、ヘンリーにとっては、現在の生活以外考えられず、彼女から前渡し金として受け取った500ドルをバーの仲間に酒をおごってつかい果たしてしまった。タリーはいつの間にかへンリーに愛情を抱いていたのだが、所詮、住む世界は別なのだ。タリーは自分に敵意をむきだしにするワンダとつかみあいの大喧嘩の末、2人の前から去っていった--。ワンダとなじみの酔客とともに酒をくみ交わし、エディに喧嘩を売り、今日もヘンリーの夜が更けていく。