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「裸一貫(1922)」のストーリー
ジョン・ポール・バートは地下室に店を構えたある洋品店に働き皺直して暮らしていた。彼は空想家であり又読書から得た知識で種々と推理的な自説を案出する事を楽しみとしていた。一夜明朝迄皺直しを頼まれた燕尾服を着用したのがもとで、運命の戯れから富豪スタンレーの晩餐会に参列する事になった。この席上彼は大洋汽船会社社長ネーサン氏に面識を得、自説の経済論が幸いして遂にこの汽船会社の重要な位置を占めるに至った。ジョンのいた洋服屋の娘タニヤは密かに彼に恋していたが彼の出世を心から喜んでいた。ジョンが腕を振るうべき汽船会社の労働問題の急先鋒ソンダックはタニヤの許嫁者であったがその卑劣な態度を見てタニヤは愛想をつかし婚約を破棄した。これらの恨みからソンダックは労働問題を悪化させたり新聞誌上にジョンの前身等を素破抜いたりして彼の地位を覆そうとした。彼の前身が洋服の皺のばしと分かった時、彼の周囲にあった上流の娘達は忽ち態度を変えた。彼は呑気な昔が恋しく再び洋服屋に帰って働く事となったが、汽船会社社長ネーサンは飽く迄彼の人材を惜しみ再び彼を迎えに来た。彼は決心して会社に帰る事となったが、ただしその前にタニヤの指に小さな指環を嵌めて行く事は忘れなかった。
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