「ダイヤモンド(1935)」のストーリー

「ダイヤモンド・ジム」と呼ばれた奇嬌な、19世紀アメリカ財閥の風雲児ジェームズ・ブキャーナン・ブレディは1856年紐育のバワリーで生まれた。父母は愛蘭移民で父は酒場を営んでいた。彼は幼くして父母と死別し、11才から自活せねばならなかった。24才のとき鉄道の田舎駅の荷物係となっていたジムは鉄道材料商ムーア商会のセールスマンとなったがそれが彼の出世の門出だった。ジムはセールスマンとして非凡の才能を持っていたので、幾何もなくムーア商会は隆盛に趣、ジムの収入も大きかった。その後、鉄道材料商サムプスン・フォックスと知り合い、フォックス式全鋼鉄車台を売り広めて儲けた。その頃ジムは南部のある町でエマ・バリイという娘に思いを寄せていたがそれは片恋に終わった。失恋の痛傷に彼は事業に熱中すると共に、ダイヤモンドを収集し、愛用した。ある晩紐育ヒルのカフェで、アイオワ生まれのネリー・レナードという英国風の歌い手が歌うのをジムは聞いた。そのとき彼のダイヤモンドを強奪しようと無頼漢が襲ったが、彼は後、拳闘の元祖となったジャン・L・サリヴァンに救われた。ジムはネリーと知り合いとなり、後援して彼女をまともな部隊に立たせるよう骨を折った。ネリーはリリアン・ラッセルと芸名を改め有名な歌手となり、ジムとは生涯の親友となった。ジムは彼女が好きであったが恋はしなかった。彼女もジェリー・リチャードスンという金持ちの株式仲買人に片恋を捧げた。そしてジムは忘れ得ぬエマ・バリイの面影に似ているジェーン・マシュースを深く愛し、結婚することになった。が結婚の夜彼はジェーンが銀行家ブリグスの妾である事を知って、破約し、生まれて始めて酒杯を口にし泥酔した。しかしその後もジムはジェーンを愛し続けて、機会あるごとに結婚を申し込んだが、彼女は拒絶し続けた。その頃ジムとリリアンとジェーンとジェリーは何処へ行くにも一緒で、紐育中をノシ廻った。そして何時かジェーンとジェリーは愛し合う仲となった。経済大恐慌が襲ったときジムは全財産を失い、再びムーア商会のセールスマンとなった。そして列車衝突の惨事に逢い、列車が燃えるのを見て鋼鉄客車の製造を思い立った。その鋼鉄車威力実験の際ジムは重傷を負って入院しなければならなかったが、鋼鉄車の需要は盛んでジムは再び巨富を得た。退院に際して彼は御馳走を食べると死ぬ、と医師に宣告され、軽い食事しか採れなくなった。ジェーンとジェリーはこれまで隠していたのを、ジムに告白して結婚することとなった。かくてジムはジェーンをついに断念しなければならなかった。ジムはリリアンに会い、百万ドルの結婚祝いを上げるから結婚してくれと申し込んだ。リリアンは喜び、感謝したが、拒絶した。ジムは一切を失った。山海の珍味を食べると命が無い、と宣告されていた彼は、そこで山海の珍味の調理を命じたのである。

今日は映画何の日?

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