「ジョルダーニ家の人々」のストーリー

ローマに暮らすジョルダーニ家は、一見不自由のない幸せな家族に見えた。技術者の父・ピエトロ(エンニオ・ファンタスティキーニ)は一家を養い、元医師の母・アニタ(ダニエラ・ジョルダーノ)は子育てのために仕事を辞め、外務省で働く長男アンドレア(クラウディオ・サンタマリア)は世界各地を回っている。心理学者の長女ノラ(パオラ・コルテッレージ)は結婚して独立し、第一子を妊娠中。次男ニーノ(ロレンツォ・バルドゥッチ)は大学で建築を学び、三男ロレンツォ(アレッサンドロ・スペルドゥーティ)は高校生活を謳歌していた。しかし、ロレンツォの不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題が露呈していく。アニタは精神のバランスを崩して入院、不倫をしていたピエトロは、愛人とも別れて逃げるように家を出る。子供たちも様々な困難と向き合うことになり、その過程で境遇も考え方もまったく異なる人々と出会う。不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉……。一本の川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび織りあわされて血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく……。