「1936年の大放送」のストーリー

全世界の女性の恋人ロクィンヴァーこれはスパッドとマイリイが頭を練って造り上げた架空の人物で、W・H・Yというささやかな放送局から2人が1人となって「ロクィンヴァー」の放送をし女性ファンの憧れの的となっていた。所が経営がうまくゆかず借金で首が回らない。ジョージ・バーンズが発明した「ラジオ・アイ」というテレヴィジョンとラジオを兼ねた重実な器械が欲しいのだが買う金がない。ラジオ・コンクールにこれを使って25万弗の賞金を取ろうという計画なのである。そこへ現れたのがクレメント島の女王でイソベルというロクィンヴァーのファンである。イソベル女王は放送を聞いてロクィンバーに恋心を覚え、はるばるアメリカにやってきたのだが、来てみるとロクィンヴァーはスパッドとスマイリーの2人なので島に連れ帰って、どっちを夫にするか慎重に決めようというのである。2人は金さえ取れば女王に用はなかったが、女王の計略にかかって島に連れて行かれる。バーンズを騙して取り上げた「ラジオ・アイ」も彼らと共に南海の孤島クレメント島に運ばれた。島にいる家老のゴードニはひそかに女王を慕っていたので、女王が連れてきた男を計略を用いて殺していた。スパッドとスマイリイは女王の秘書スーからこの話を聞いて驚いたが今更どうする事もできない。女王の婿が決まる日が来た。女王が宴席から退いたら婿に決まった男を殺そうというゴードニ一味の計画である。婿はスパッドに決まった。宴果てて女王はもう眠りかかっている。スパッドとスマイリィは「ラジオ・アイ」の力でラジオの芸人を総動員し女王の眼を覚まそうとする。一方「ラジオ・アイ」の威力はクレメント島から2人のS・O・Sを全米国に放送する。このときアメリカでは丁度ラジオ・コンクールが開かれて栄手、役員達は彼らの放送をラジオ・ドラマの放送と信じ、真に迫った演出にすごく感心する。ゴードニは彼らのS・O・Sを看破し、クレメント島にはたちまち正邪争う大活劇が展開された。ただし正義はついに勝った。彼らはコンクールに1等となり、スパッドは女王の腕に、スマイリィはスーの胸にめでたく幸福を見いだしたのである。