「西部を駆ける勇者」のストーリー

西部に機関車が走り始めた頃の話である。イリノイ州北部の町ロック・アイランドにある鉄道会社の主任技師リード・ルーミス(フォレスト・タッカー)は相棒のホッガーと共に、西部の大荒野に鉄道を敷くことを夢みていた。汽車に対して人々が抱いている不信と偏見をとり除くため、リードは汽車と駅馬車を競争させ、汽車の性能を実証しようとはかった。駅馬車を駆るのはリードを商売敵と敵視する船会社のカービー(ブルース・キャボット)だった。ホッガー買収に失敗したカービーは、リードの汽車に2時間も遅れてオタワに着いた。その夜、リードを招いた銀行家ストロング氏は、鉄道の将来性を買い、ミシシッピ西岸までの敷設に資本を提供した。仕事は順調だった。白人に対して友好的なソー族集落民は、協力を惜しまなかった。ミシシッピ川に第1の鉄橋が完成した。腹のおさまらないのはカービーだった。油を満載した蒸気船に火を放つと、鉄橋に向けて流した。リードは争ったが遅く、鉄橋は真二つに折れた。裁判の席上、カービーは潮流による不可抗力の事故だと申し立てたが、リードは無名の弁護士エイブ・リンカーンの力で勝訴した。リードを殺そうとして果たさなかったカービーは、スー族を煽動して列車襲撃を企てた。スー族の攻撃は激しかった。リード、ホッガー、乗客たちの戦いも空しく、多勢に無勢で、一同は全滅にひんした。その時、ソー族の1隊が救援に駆けつけた。スー族は逃げ去り、カービーも捕らえられた。戦闘中に酋長の孫娘を失ったソー族の怒りは爆発し、カービーは矢を受けて息絶えた。危機を脱したリードはストロング氏の1人娘コンスタンスと固く結ばれた。