「スタア誕生(1954)」のストーリー

有名な映画スター、ノーマン・メイン(ジェームズ・メイスン)がハリウッド映画基金募集ショーの会場に酔って現れた。撮影所長ニールは宣伝部長リビーに命じ、メインの出場を抜いて番組を進めさせたが、メインは舞台に飛び出してしまった。出演していたジャズ歌手のエスター(ジュディ・ガーランド)は酔ったメインを巧みにリードしてその場をうまくとりなした。家に送り帰されたメインは真夜中町に出、ダウンビート・クラブで歌うエスターに会って映画出演をすすめた。そして翌日、彼女を撮影所へともなって相手役に抜擢した。ヴィキー・レスターの芸名で出演したミュージカル映画は大成功で、彼女の名は一躍有名になった。メインとエスターは結婚した。2人は幸福であると思われたが、メインの酒量は上るばかりで人気は次第に凋落して行った。彼と反対にエスターの人気は旭日昇天の勢いだった。そしてついにアカデミー主演女優賞を獲得した。授賞式の夜、メインは酒に酔いしれて現れ、エスターをやゆし、頬を打つまでの醜態を演じた。メインはアルコール中毒治療のため病院に入った。だが、ふと会った宣伝屋リビーに面罵され、その衝撃をまぎらわすためまた酒浸りになった。そのあげく、警察に留置され、エスターと撮影所長の尽力で釈放される有様だった。メインは海岸の自宅へ帰って静養していたが、エスターが女優を辞めて妻としてメインに尽くすと撮影所長に語るのをきき、エスターの愛情の深さに打たれた。その夕方、メインは海に入って自殺した。エスターの嘆きは一方ならぬものであった。が、友人のダニーから、メインの死はエスターの成功を祈る心から出たと説ききかされた。そして彼女はハリウッド映画救済資金のショーにノーマン・メイン夫人として華華しくカムバックしたのだった。舞台に立つ彼女の眼前に浮ぶのは在りし日のメインの面影であった。