「雀」のストーリー

町からかなり隔てた沼地の中にグライムス夫婦の農場があった。農場の周囲は底無しの泥沼でただ一筋の帯地によって陸に続いていたがそのところには不釣り合いの頑丈な門扉が外界からの侵入者を防ぐように建てられていた。グライムス夫婦は息子のアンブローズと3人で暮らしていると信じられていたが、彼の納屋には9人の小さい囚人たちがいて昼間は農場で苦役を命ぜられていた。これらの子供たちが何処からどうして連れてこられたかはグライムスの他は誰も知らなかった。可愛そうな子供たちの唯一の望みは、母代りをしてくれる年長のモリーだった。彼女は子供たちの世話を何くれとなくして誰か彼らを救ってくれるように祈っていた。ある夜激しい風雨を衝いて来た自動車があった。乗っていた二人の怪しい男は、金持ちらしい女の子をグライムスに託して再び闇の中に去って行った。グライムスはさらって来た子供たちを、養子を欲しがっている金持ちに売っていたのだ。愛児を奪われた父親は狂気のごとくその行方を探した。警官や探偵は八方手を尽くしたが、子供の行方はようと知れなかった。しかしその頃、かつてグライムスによって豚屋に売られた男の子が、沼の家に子供が大勢囚われていることを周囲に知らせた。一方モリーはグライムスが罪の発覚を恐れて子供たちを殺そうとしていることを感知し、子供たちを連れて恐ろしい沼地を脱出した。警官たちに襲われたグライムスは沼に落ちて死んだ。モリー始め子供たちに幸福な生活がめぐって来た。

今日は映画何の日?

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